小説1

□いっそ私以外の人は貴方が見えなければいい
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「おっ!ティエリア、おかえり〜」

ティエリアは室内の光景を見て一度開けた扉を閉めた。

「おい!!何で閉めるんだよ!」

「仮装パーティーに付き合うほど暇じゃありませんので」
仮装と言われたロックオンは普段のラフな服装ではなく、スーツ姿だった。
ソファやテーブルの上にも何着かのスーツとロックオンの私物であろう普段着が置かれている。
「違う!これはミッションの為!」
そう言いながら上着を脱ぎ、白衣をはおった。
「ハレルヤが失敗した場合、俺もバックアップで教師として潜入することになるから服装決めてたんだよ」

「……そうでしたか」

「ティエリアはどんな感じがいいと思う?とりあえずスーツは決定なんだけどな」

ティエリアはテーブルの上に置かれていた黒縁眼鏡を差し出した。
「これで少しは賢そうに見えるんじゃないですか?」

「ひっでぇな〜」
ティエリアの言葉を気にする様子もなく、ロックオンはティエリアから渡された眼鏡を掛けた。

「お!なかなか、いいんじゃないか?」
鏡で姿を確認するロックオン。ロックオンは眼鏡を気に入ったが、それはティエリアによって奪われてしまう。

「ティエリア?」

「似合いませんね。俺はヴェーダとスメラギ・李・ノリエガに定時連絡をしなくてはいけないので失礼します」
ティエリアは眼鏡を持ったまま足早に出て行った。
「何だ?あいつ…」
残されたロックオンは首を傾げた。
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