小説1

□犯人は誰だ
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プトレマイオス内、食堂。
既に食事を終えているにも関わらずティエリアはその場に止まっていた。
ティエリアは腕を組んで考えている。
ある事件の犯人を。
プトレマイオスで起きたわけではない。
起きたのはロックオンから借りた推理小説の中だ。

ある館を舞台にした殺人事件。
悪名高い館の主が殺された。家族や部下、登場人物の殆んどが主を恨んでいる。そんな彼が館の一室で殺害されているのが発見された。
そこで登場するのが主人公である探偵。
事件解決に挑むが全員にアリバイがあり、殺害現場は密室であった…。
探偵は悩んだ。
誰が犯人なのか。
密室のトリックは…と。
捜査を進め、事件の真相に気付いた探偵。
リビングに人を集め、真相を語ろうとする。

ティエリアはそこから先をまだ読んでいない。
わざと読まないでいる。
ティエリアは事件の謎を解きたいのだ。クライマックス直前までを何度も読み直したが解けないでいる。
誘惑に負けてページを捲ろうとしたこともあったが自身を叱り、我慢した。
だが、考えれば考える程頭がこんがらがってしまう。
ティエリアは落ち着く為に一口、コーヒーを飲んだ。
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