小説1
□争いの結果
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「貴方達は何を考えているんだ。他のクルーだって休暇中のはずだ。わざわざ俺達が買いに行く必要はない」
今は今回の一番の目的であるティエリアの洋服を見ているところだ。
スメラギに頼まれた酒などの重い物は後回しにして軽い物から買っている。
「いいじゃねぇか。人に親切にするといつか自分に返ってくるもんなんだぞ」
「貴方の場合は親切ではなく、お節介と言った方が正しいでしょうね。…会計を済ませてくる。その間に誰がどの品物を買うか相談していろ。手分けをして買った方が効率的だ」
数着を持ってティエリアはレジに向かった。
「もう少し性格が柔らかかったら可愛げもあるだろうによ」
「僕はあのままでいいですよ。ライバルが増えたら嫌ですし」
二人は店の外で待っている。
買い物客も増えてきて買いもしない自分達がいては店にも他の客にも邪魔になるだろうと判断したのだ。
「ま〜な。しかし、手分けか…それじゃあ一緒に来た意味が無いよな」
「ティエリアを納得させられるような理由…うーん」
「あの〜…お買い物ですか?」
「あ…ええ」
「私達もなんです!よかったら一緒に回りませんか?」
なかなか可愛らしい女性の二人組に声を掛けられた。
彼女達との面識はない。
いわゆる逆ナンというものだ。
アレルヤはロックオンに視線で助けを求めた。
こういった時の対処がどうも苦手なのだ。以前も幸せになれるという壺を買わされそうになったことがある。その時はハレルヤに変わり、追い払ってもらった。
その点ロックオンは自分より喋るのが上手く、慣れているだろうと判断したのだった。