小説1

□貴方で目覚めたい
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ロックオンはトランクス一丁で正座をさせられていた。
何とも情けない姿だ。
そしてロックオンの前では腕を組み彼を見下ろすティエリア。
ティエリアの方はしっかり服を着込んでいる。
何故こんなことになったのか。
数十分前に遡る。




「ティエリア、おはよう」

「おはよう…ございます」
眠りから覚めるとそこには自分に優しく微笑む恋人の姿。
幸せな気持ちで一杯になる。
それと同時に昨日はロックオンと夜を共にしたことを思い出した。
体温が上昇して顔が熱くなる。
赤い顔を隠す為シーツを頭までスッポリ被った。

「お?どした?」

「…いえ、なんでもありません」

「眠いならまだ寝てていいぞ」
シーツの上からティエリアの頭を撫でる。
普段皮手袋に隠れている彼の手に直接触れて欲しくてティエリアは顔を出した。

ロックオンはクスリと笑いティエリアの頭を撫でた。
ティエリアはその手を捕まえて自分の頬へと寄せる。
頬づりをしたかと思えば、手を見つめ指の一本一本に触れていく。
ロックオンはティエリアの好きなようにさせていた。

白人であるロックオンは元々色が白いが手を太陽の下に晒すことが滅多にない為、他の体の部位よりも白い。

ティエリアがロックオンの手を観察していると機械音が鳴った。
音のした方を見ると部屋のデスクに置いてあったハロからで、ハロが起動した音だった。
時計を見れば朝の七時。
その時間にスリープモードが解かれるよう設定してあったのだ。
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