過去clap

3.水平線に恋をした
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水平線に恋をした







 ゾロに背を向け海をみていた
 私をゾロが急に後ろから
 抱きしめた。












『え…ちょっ…ゾロ?』


「…強くなる。
 誰よりも強くなってやる。」


『うん。』


「待ってろ。」


『当たり前でしょう?』











 私はやんわりとゾロの腕を
 ほどいて向かい合った。

















『一度しか言わないから
 よく聞いて。』


「あっあぁ。」


『好きよ。』


「…俺もだ。」


『迷っちゃ駄目よ?ゾロが信じた
 道を進み続けてね。』


「あぁ…」















 ゾロは私の頬に手を添えた。






















『私のこと…忘れないでとは
 言わないわ。』












 あなたの気持ちを聞けたから…


 十分よ。
















『私がずっと忘れないでいるから
 …だから、もし…この先私の
 存在がゾロの邪魔になる時が
 きたら…そのときは私のことは
 忘れて。』


「…………」










 きっとこの先私は


 あなたしか愛せないから























「バーカ。」


『え?』


「頼まれたって忘れてやらねェよ」


『ゾロ…』


「残念ながら俺はお前と一緒に
 なるつもりだ。」


『えっ』
















 思いもしなかったゾロの
 プロポーズともとれる言葉に
 私は驚いた。























「拒否なんてさせねェぜ?
 お前は俺の女だ。」


『…我が侭な人。』


「今に始まったことじゃねェだろ」












 ゆっくりとゾロの顔が
 近づいてきた。




















『そうね…でも今はダメ。』












 私はゾロの唇に人差し指を
 あてた。


 そして陰に隠れている彼の
 仲間たちをみた。




















「…見せ付ければ良い
 じゃねェか。」


『教育に悪いわ。』












 ゾロが彼女の視線の先を追うと
 ウソップに手で目を隠されて
 いるルフィがいた。























「アイツはそんな年じゃねェよ。」


『でも初なんでしょう?』


「……チッ」















 ゾロはこれでもか、という程に
 眉間にしわを寄せてルフィを
 睨んだ。













「ヒッ……」













 その睨みにルフィの目を隠して
 いるウソップが、体を震わせて
 いた。








          つづく



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