過去clap

2.水平線に恋をした
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水平線に恋をした












『…いい仲間をもったのね。』


「…まぁな。」




















 ふと彼の後ろを見れば同じ

 クルーであろう人達が影から

 こちらを覗いていた。





 皆物珍しそうな顔をしている。

 恐らく私たちの会話は聞こえて
 
 いるのだろう。





































『で、ゾロは
 私にどうして欲しいの?』


「…待ってろ…なんて言えねぇ。
 俺はいつ死ぬともしれねぇ
 身だ…だが他の男に渡す気も
 ねぇ。」




















 相変わらず欲張りな人。
































『ゾロはどっち?』


「…待っててくれねぇか。」


『クス…いつになく
 弱気なのね?』


「…うっせえ。」


『私ね、生死もわからない人を
 待つのは嫌なの。』


「……………………」


『そんなの
 一回でこりごりだわ。』



















 あら?



 ゾロったら
 
 驚いた顔しちゃって…


































『貴方が剣豪になるって飛び
 出してから私…
 ずっと待ってたのよ?』






















 そんなに意外だった?





 でもずっと…








 ずっと待ってたの。






























『ゾロが望むなら私、これからも
 待つわ。でもね、今度は
 ちゃんと生きてるって確証が
 欲しいの。』

























 不安でしかない日々なんて

 もう過ごしたくないから





























『だから賞金首になって。』


「!?」


『世界に名を轟かせるような
 賞金首になって、貴方の存在を
 私に知らせて。』
























 強くなっていく貴方をみさせて

































『そしたら私、
 ずっと待っていられる。』

























 私が貴方を忘れられないで
 いるように






 貴方も私を忘れないで
 いてくれる











         つづく



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