過去clap

1.水平線に恋をした
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水平線に恋をした











 忘れないで





















 その一言を貴方にのこすのは
 
 酷なことなのでしょうか?














 でもね、私だけ覚えているのは

 不平等な気がするの。








 だって























「一度しか言わねぇ。」


『うん。』


「好きだ。」


『私もよ。』






















 其々の想いを伝えあったことも

































『あんまり日に当たってると
 マリモになるよー?』


「うっせえ。」























 一緒に日向ぼっこしたことも


















 あなたの低い声も









 一つ一つのさり気ない仕草も




















 全部、全部



 私は忘れられないでいるのに








 あなたは忘れてしまうなんて

 酷い話でしょう?








































「海賊がきたぞー!!!」

















 そんな声がしてふと、

 海を見れば可愛らしい船。





 そしてそこから降りて

 真っ直ぐウチに来るのは









 紛れもないあの人。



































「よぉ…久しぶりだな。」


『そうね。一体どうしたの?』


「海賊になった。」


『剣豪になるんじゃなかったの?』


「海賊しながらなる。」


『そう。』


「これからグランドラインに入る。」


『海賊王にでもなるの?』


「船長がな。」





















 そうやってニヒルな笑みを

 浮かべる貴方が好きだった。











         つづく


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