過去clap

8.水平線に恋をした
1ページ/1ページ







 水平線に恋をした







『ゾロが目を覚ました後は…自
 己紹介をしたりして…いつの
 間にかどうしようもないくら
 い好きになってたわ。』


「え、ちょっと話飛ばしすぎで
 しょ!?どうやって一緒にい
 たの?」


『どう…って言われてもねぇ。
 しばらくここにいて、いつの
 間にかそれが当たり前のよう
 になって、何を意図するわけ
 でもなくここがゾロの帰って
 くる場所、私たちの居場所に
 なってたから…』


「…幸せそうね。」









 ナミが微笑んでそう言った。


 …もしかして私、にやけてた
 の?













「それって何も言わなくてもお
 互いがお互いを必要とし合っ
 てたってことでしょ?」


「マリモのくせにいい思いしや
 がって。」


『フフッ…そうね。何も特別な
 ことはなかったけどとても穏
 やかな時間だったわ。
 それにずっと一人だった私に
 誰かが隣にいることがこんな
 にも温かいことなんだって教
 えてくれたのはゾロだった。』












 朝目覚めたらすぐ傍に貴方が
 いて


 貴方が目覚めたら<おはよう>
 ってキスをする。





 貴方が出かけるときは<行っ
 てらっしゃい>と見送って


 その時に貴方がいつものニヒ
 ルな笑みを浮かべて<あぁ>っ
 て言ってくれるのがとても嬉
 しくて。





 たくさん待ってやっと帰って
 きた貴方を<おかえり>と出
 迎えて


 抱きついてそんな私を<ただ
 いま>と言いながら優しく抱
 きしめてくれる貴方がいとお
 しくて。





 <おやすみ>という私を貴方は
 自分のもとに引き寄せて片時
 も離れない愛を捧いでくれる。


 








 そんな貴方にどうしようもな
 いほど恋焦がれているの。





           つづく



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ