東方幻想町物語
□第壱部・学園編
1ページ/31ページ
世の中にはヒトが殆どいない様な所がある。
それは地形の所為かもしれない。
気候が関係していれば、歴史が関係しているのかもしれない。
なら――ここは何が関係しているのだろう?
ぼくの名前は八雲秘行。
とある家族の子であり、人間だ。
母親は九尾狐、姉は鬼で妹は黒猫。
ぼく以外は人間じゃない――普通ではない。
でもそれでも良いと思う。
そんなんだからここに来てから十三年も普通に過ごせた。
ぼくは高校生になって。
いや――これ以上の回想は意味が無いな。
かわりにこれから始まる物語について話そう。
これから始まるのは一風変わった、と言う言葉では済まされないほど変わっている物語。
普通の人間は少ししかいない。変わりに普通じゃないモノたちが昼夜問わずに外を回っている。
そんなお話でよければ、始めよう。
観客の皆様。どうか携帯の電源はお切りください。
無粋な音ほど邪魔なものです。
東方学園騒乱絵巻、第一部! 始まり始まり!