東方幻想町物語

□第壱部・学園編
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世の中にはヒトが殆どいない様な所がある。

それは地形の所為かもしれない。

気候が関係していれば、歴史が関係しているのかもしれない。

なら――ここは何が関係しているのだろう?

ぼくの名前は八雲秘行。

とある家族の子であり、人間だ。

母親は九尾狐、姉は鬼で妹は黒猫。

ぼく以外は人間じゃない――普通ではない。

でもそれでも良いと思う。

そんなんだからここに来てから十三年も普通に過ごせた。

ぼくは高校生になって。

いや――これ以上の回想は意味が無いな。

かわりにこれから始まる物語について話そう。

これから始まるのは一風変わった、と言う言葉では済まされないほど変わっている物語。

普通の人間は少ししかいない。変わりに普通じゃないモノたちが昼夜問わずに外を回っている。


そんなお話でよければ、始めよう。


観客の皆様。どうか携帯の電源はお切りください。

無粋な音ほど邪魔なものです。

東方学園騒乱絵巻、第一部! 始まり始まり!
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