東方幻想町物語

□第壱部・学園編
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ぼくの家はアパートである。

しかしなかなかの広さであり、平屋建てかと思うほどである。

そのぼくの住むアパートを出てすぐ右隣の一軒家。

ここにぼくが昔からお世話になっている、一つ上の学年の女の子がいる。


「あ、ようやく降りてきた」


彼女はいつもぼくがアパートから降りてくるのを待ってくれている。

名前を因幡鈴仙。ぼくの通う学校の上級生だ。

こうやっていつもアパートの階段で待ってくれている。

彼女もまた――ヒトではなく、妖怪。

月のウサギの妖怪。ヒトの視界を狂わせる、妖怪。

ぼくが紹介した妖怪は皆々外に出るときはその特徴を隠す。

ある程度霊力と言うのを操れるようになれば出来るようになるらしい。

ただ、ぼくの妹の橙はそこの所が下手くそだから猫耳が髪に変わるだけである。


「ほら、ボサっとしない! さっさと行こう」
「うん、解ったよ。鈴仙」


また、今日と言う平凡が始まる。
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