王様ログ

□王様ゲーム
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「王様ゲームしましょー!!」

pro:いつだって始まりは愛の女神から

その少女の叫びに、賑わっていた部屋は一気に静まり返る。
「何よ藪から棒に」
まずレイがいかにも面倒くさそうに聞いた。
こんな場合、何かろくでもない事があるに決まっている。
だが美奈子はそれでも胸を張って答えた。
「だって!セーラー戦士が全員揃ってんのよ!?こんな事滅多に無いんだから、何かしたいじゃない!」
そういって付き出されたのは紙で作った縦長の10本のくじ。
成る程、先程まで気味が悪い程に静かだったのはこれを作っていたからなのだろう。
それを見た戦士達は多種多様なリアクションを見せた。

「おもしろそー!!やろうよ美奈子ちゃん!」
「よっしゃあ!さすがうさぎちゃん!」
──意味なくテンションが上がった者

「へぇ、懐かしいな。僕も昔は」
「昔は、何なの?」
「い、いや別に」
──一瞬で空気が冷えた者

「まったく、美奈ってばいつもそうなんだから」
「まぁまぁ。でも楽しそうじゃないか。ねぇ亜美ちゃん」
「えぇ」
──ごく普通の者

「ねぇプー、王様ゲームって何?」
「さぁ……キングの物真似でもするのでしょうか?」
「二人とも……多分違うと思うわ」
──それそのものを知らぬ者


様々な思いが交錯する中で、各人にくじが回る。

カオスな予感を漂わせる王様ゲームは始まりを告げたのだった。
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