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□蜜の味
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2008-07-03 21:38
蜜の味[編]

ディノヒバ  雲さん初ご奉仕★



広いキングサイズのベッドの上には、細い手足を投げ出し仰向けに寝そべっているしどけない姿の幼い恋人。

着ているものは半ばもぎ取るようにして奪い取り、ベッドの下に放り投げた。

感じやすいその身体を撫で上げ、身体中をまるでナメクジのように這い回り舐め尽くし、弱い部分は丹念に愛撫してやったのだから。

白い滑らかな肌は桃色に染まり、薄い胸は不足している酸素を補おうと忙しなく上下している。

久しぶりに抱く恋人そのものがもはや媚薬のようで。

先程まで触れていたその身体にまたすぐにでもむしゃぶり付きたい。

逢う度に制御しきれない欲望はもう抑える必要もないもので。

まだ若い二人には、お互いの欲求を隠す理由も何も無い。

だって、求め合う想いは同じなのだから。




共に過ごせる時間はいつも短い。

どんなに願っても努力しても、離れている時間の方が長い。

久しぶりに会えると、
再会を喜ぶ触れ合うようなキスはすぐに深く粘着質なものに変わる。

どこでもかしこでも触れてくる年上の外人に以前は呆れていたが、こんなにも自分は欲が深かったのかとまたしても知らなかった自分を自覚する雲雀。

彼と出逢って、確実に自分は変化している。

根本的なものは変わりようがないけれど、彼が齎す変化は心地いい。

だから逆らおうとも思わない。

そのまま絡み合うように二人してベッドへ倒れこみ。

日が高いのなんてお構いなしだ。

カーテンが開けっ放しなのだって気にならない。

触れてくる年上の恋人の掌も舌も熱い肌も何もかもが気持ちイイ。

快感を表す声を抑える方法はもう忘れてしまった。

指先から足先から蕩けそうな程愛撫を施され、逢えない期間に閉じてしまっていた蜜口も殊更時間をかけて開かれた。

後はもう、求めてやまないこの人と一つになるだけ。

急ぐ必要なんて全然ないのに、まるで急かされるようにズボンと下着を脱ぎ捨て靴下まで取り去って放り投げる彼を見ていたら。

何故だか急に愛おしくなった。

愛なんて解らない。

けれど、愛しいと思い、相手に触れたいと願うこの思いは愛情という名前のモノなのだろうか。



与えられるばかりは嫌なのだ。



自分の上に圧し掛かってくる彼をチラと見ると己のモノを自分の手で何度か扱いている。

恐らく自分の先走りで張り詰めたペニスを濡らし、結合する時の滑りをよくする為なのだろうが。

自分の中に入り込み、信じられない程の快楽を齎す彼のペニス。

今まで何故だかそれを凝視する事が出来ず、触れた事もない事が不思議に思えた。



だってそれは、とても愛しいモノ。



それに触れて、キスして、これ以上ない程愛したい気分になった。





「待って」

自分の脚の間に身を沈めようとしているディーノの肩に手を置いて制止する。

「どうした?」

少し眉を顰め、困ったような顔をする年上の恋人が可愛い。

早く入りたいのになんで止めるんだよ…と心の声が聞こえてきそうだ。




「あなたのに、触りたい」




恐らく雲雀の言葉をディーノは理解出来なかったのだろう。

少し考える仕草をしたから、置いた肩に力を入れ身を起こすと自然に位置が逆転する。

雲雀がする行為に逆らわず自然に身体の後ろで手を付き、体勢を入れ替えられてもまだ理解していない様子だ。

軽く立てられた膝を掴みグイッと広げられると流石に幼い恋人がどうしようとしているのか解ったようで。

「ちょ…ッ、恭弥!?」

本気で焦っている自分よりずっと年上の彼が可笑しくて、その隙に開いた脚の間に身体を収めた。

そしてゆっくり手を伸ばすといきり立っている彼の雄を優しく握り込む。


「ぅア…ッ」


それだけで、声が漏れた。

恐ろしい程の華麗さでトンファーを操る細く白い指が、赤黒くて脈打つ己を握り込んでいる様は今まで見たどんなモノより卑猥に見える。

これ以上ない程張り詰めていると思っていたのに、ドクリとまた体積を増す欲深い己。


「…凄い。硬くて、熱いね、あなたの」

金というよりは茶色に近いような、
金褐色とでも言えばいいのだろうか。
鬱蒼とした茂みから先端に向かってゆっくりと撫で上げた。

片手だけではとても覆えない程の、彼の雄はビクビクと震えていて。

自分のそれとは大きさもカタチも色も全く違う。

赤黒い幹にはグロテスクな血管が浮かんで、明らかに使い込まれている、あなた。

今まで何人の女と寝たのかとか、男とも経験があるのかとかそんな事はどうでもいい。

今はコレは自分のモノだ。

自然に身を屈めて大きく張り出した先端にチュッと口付ける。

そんなトコロには不似合いな程、いい匂いがした。


彼の匂いだ。

甘い、香水の匂い。


想像もしなかった幼い恋人の突然の幕唐ノ固まっていたディーノはやっと我を取り戻す。

その薄い肩を掴んで己から引き剥がすと顔を上に上げさせた。

「待てって。無理しなくていいんだぜ?」

いずれベッドの中でのこういう行為も覚えて欲しいと思ってはいたが、決して多くを望んでいる訳でもないのだ。

まだ経験の少ない幼い恋人。

自分を受け入れてくれるだけで充分なのは本当だった。

すると途端に口をへの字に曲げ、不機嫌を露わにする子供。



「あなたまだ僕の事解ってないの?僕は僕のしたい事しかしない。邪魔しないで」



そう言い放つと再び自分の股の間に沈む丸い頭。

こんな時まで自分本位なこの子供が愛しくて仕方ない。




飄々とした顔でどんなに強い相手だって恐れはしない。

自分が総て、そう信じて生きているように見えるその子が。

誰の事も受け入れず、ましてや触れさせる事さえしないこの子が。

自分を愛したいと望んでくれている。

あぁもう、それだけで。

眩暈がしそうだ。




「んッ、ん…ッ、ぅん…ッ」

とてもじゃないが総てなんて口に含めないディーノの張り詰めたペニス。

口いっぱいに迎え入れるけど、どうしても外に出てしまう幹の部分はクチクチと手で扱く。

はっきり言って凄く息苦しい。

顎も痛い。

迂闊に頭を動かすと喉の奥を突いてしまい咳き込みそうになる。

すぐに溢れてきた彼の体液と自分の唾液で口の中はネトネトで気持ち悪い。

けれど。

たまにチラリと見上げて見た、あなたの苦しそうな顔を見たら。

息苦しさも顎の痛みもどうでもよくなる程溶けそうに甘く。

薄く唇を開いて、悩ましく眉を寄せているところなどが堪らない。

浅い息を繰り返すから逞しい胸板が忙しなく動いていて。

もっと感じて欲しいから、いつも彼が自分にどうやってくれるのか思い出しながら懸命に彼の雄を愛撫する。

愛しげに撫でられる髪と、たまに耳の後ろにイタズラに触れてくる指が心地いい。

口淫に夢中になっているから、腰を高く上げ彼の前で揺ら揺ら動いてる事にすら気付かない。

たまに見上げるその視線がどれ程ディーノを煽っているのかも。



僕は今、あなたを支配している。

イイところを愛撫すれば、あなたを顔を歪め、声を上げる。

愛撫を止めれば、あなたはすぐに僕を欲する。


それがたまらなく僕に優越感を覚えさせた。
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