H×H

□歪んだ愛
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コンコン


「入るぞ。ゴン」










―歪んだ愛











ドアを開けると上半身だけ起こして窓の外を見ていたゴンがこっちを向く。がしかし、キルアを見てすぐにまた視線は外へと持っていかれた。


「何見てんの?」
「…」


キルアも一緒になって窓の外を見た。
そこには鳥が二、三羽いた。同じ枝にはとまらず、近い所にそれぞれがとまっていた。


「ゴン、あれは鳥だぞ。とぉり」
「と、り」
「そ。鳥」


ゴンの視線は未だ鳥にある。その視線をどうしても自分に向けさせたくてゴンの顔を自分の方へクイッと向かせる。


「じゃオレは?」
「…」
「オレは…何?」
「…と、り」
「…違う。オレはキルア」
「…」
「呼んで。オレの名前…」
「…キァ」
「キ、ル、ア」
「キ…ルア」
「そう。オレはキルアだよ、ゴン」

キルアは優しくゴンを後ろに押し倒す。
二人の体重がかかったベットはギシッと鳴いた。

「なぁゴン。ゴンは誰が好きなの?」
「…」
「誰のこと…愛してる?」
「…とり」
「違う。オレの名前、言って」
「…」
「ゴンは誰が好きなの?」
「…キル、ア」
「じゃぁゴンが愛してるのは誰?」
「…キルア」


ゴンの瞳には自分が満足げに口角を上げている姿が映っていた。


「そっか…オレもゴンのこと好き。愛してる」
「…」
「好きだよ、ゴン」


そっと唇を重ねて甘いキスを送る。
最初は触れるだけでだんだんと深さを増してくる。


「ぅ…ッん」
「なぁ、ゴン」


クチュクチュと音をたてながらゴンの口の中に舌を入れてゴンのそれと絡ませる。


「あん、フッ…んん!」
「愛してるよ…」








ダカラオレダケヲミテ
オレダケヲモトメテ

ダッテ両想イナラ
ソレガアタリマエダロ?


オレタチズットマエカラ
両想イダッタンダ


ダカラオレラ、愛シ合ッテイインダ…



大好キダヨ
愛シテルヨ、ゴン



例エ君ガソウジャナクテモ
オレタチハ“愛シ合ッテル”ンダ









『ねぇキルア!』











デモイツカラダロウ…


君ノ笑顔ヲ見ナクナッタノハ…







END
 

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