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□初めまして、僕の恋人
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曇一つない空。
今日は特に良い天気だ。
太陽の野郎も大声で笑ってやがる。
でも、なんかテンション上がらねえ。
だって体育の組体操がマカとペアじゃないんだぜ?
マカはソウルと楽しそうに組んでるっていうのに俺はあまり話したことのない女子とだなんて………
世の中理不尽だぜ。
「それでは組体操を初めてください」
シュタインの声でそれぞれが組体操を始める。
1、2、3、4………
組体操をしながらマカの方を見ると笑ってて、楽しそうで、マカの笑顔を独占出来るソウルのポジションがかなり羨ましかった。
背中を合わせて持ち上げ合ったり、馬跳びをしたり、普通は俺とマカが組むべきだろ………
なんて1人心の中でくじ運がないことを恨んでいる間に組体操なんか終わっていて、もう50mのタイムを計り始めていた。
「………………くそっ」
なんか知らないけどかなりムカつく。
「………痛っ!!」
マカの声が聞こえて振り向くとマカが走ってる時に転んだのか膝から血を流していた。
俺は走ってマカに近づいた。
「先生、俺が保健室に連れて行きます。」
「………分かりました。お願いしますね」
はっきり言ってシュタインの声なんか聞こえなかった。
ただマカの手首をおもいっきり引いて保健室に向かった。
正直、どうして職人のマカが転んだのか、分からない。
でも保健室に着くと先生が居なかったからマカをベッドに座らせると自分で処置を始めた。
「ブラック☆スター、ごめんね」
「ああ、いいっていいって。それよりさ……。」
「何?」
「何で転んだりした。」
「それは……何でもないよ。」
「何でもない訳ないだろ。普通職人が50mで転ぶか?」
「………。」
「なあ、何があったんだよ。」
「………集中出来なかったの。」
「どうして?」
「それは………」
「ん?」
「…………ブラック☆スターが他の女の子と楽しそうにしてたから……」
そう言って目を逸らしたマカは顔が真っ赤で、まさに林檎という言葉がぴったりだった。
「なーんだ。そんな事かよ」
「そんな事って何よ!!人が恥ずかしい思いして言ったっていうのにっっ!」
「いやいや、俺も同じ事考えてたから。」
「………えっ?」
「俺もマカがソウルと楽しそうにしてて焼きもち焼いてたからさっ」
こう言う俺の顔もかなり赤くなってるんだろう。
「ぷっ……なんだ、お互い同じ事考えてたんだ。」
「そうだな。」
「そんなことよりブラックスター顔真っ赤!!」
「あぁ!?全然赤くなんかねぇし!!それにお前の顔もかなり赤いぞっ!!」
「えっ!?………お互い真っ赤だねっ」
「そうだな。なあマカ…………」
「何?」
「好きです。」
「……ふふっ、私も好きですっ」
それから俺はマカに近づいてそっと抱き締めた。
その小さな肩を包み込む様に。
俺達ってもう友達なんかじゃないよな?
“初めまして、僕の恋人”
永遠の愛を誓います。
end.
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