□天使の気まぐれ
1ページ/2ページ

まだ寝惚けている頭上に
朝の鐘が鳴り響き
やや暫くしてから
教室の戸が開く


そして、気の抜けた喝



『おらぁ〜 うるせーぞォ おめぇ〜ら
 さっさと席につけ〜』

で、一日が始まる…

それがいつもの
僕のクラスの日常



『ガラッ………………』



あれ?銀八先生
無言で入ってきた
なんかフラフラしてる?


しかも教壇素通りして
横の教卓にかけちゃったよ

「あのォ〜先生
 ホームルーム
 始めないんですか?」


『…………天気いーなー』

オイ、おもいっきり
無視かよっ


僕の問いかけに
先生は反応しない
まあ、いつもの事だけどね
…ふぅ


ったく、この駄目教師


頬杖ついて窓の外を見てるボォーっとして


心なしか、いつもより
二割増しボォーっとしてる

頭から煙りでも出てきそうだな、オイ!



後ろの方から 
なにやら秘そ秘そと
男子のザワメキが聞こえてきた



「アレ、やっぱ
 銀八じゃねーの? 」


「だとしたら
 ヤベーんじゃね?」


「相手誰だよ」


「顔はっきり
 写ってねーからなぁ」


「あれ位の髪の長さからす ると…」



なんだ、なんだ?
みんな、何の噂してんだ?

ザワメキじゃなくて、
ドヨメキになってきたよ


「先生!」


『あ〜?何か言ったかぁ
 新八君 
 ワリィーな
 二日酔いだから、俺
 ちょっとタイムな  』

タイムって…
古りィーんだよっ
アンタ、いつの時代の
人間だよ


駄目だ
いつも以上に目が死んでる


「仕方がない
 先生があんな調子じゃ
 埒があかない
 時間の無駄だ
 今朝のHRは俺が
 仕切る       」


学級委員の桂くんが
申し出てくれた


いつもよりスムースに
終わるかもしれないな
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ