゚フラチナ・タイム。
□溺れる(銀さち)
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思わず、心奪われてしまうような妖しい月の晩―――
甘く匂いたつ花に誘われるまま、夜深く迷宮に入っていく
道を照らす銀色の灯りが、揺らめきながら俺に問い掛けてくる
まるで心の闇に囁くように
本当にそれで良いのかと
それが、お前の本心なのかと――――
…本心?そんなの俺にも、分からねぇよ
こいつの事を、どう想っているかなんて――――
そんなの、こっちが知りてぇよ
後先のことなんか、どうでもいい
ただ、抱きたいだけ
壊してしまいたい…お前の全てを支配したい
結果、こいつを悲しませるかなんて…そんな先の事、俺の知ったこっちゃねぇ
――――後悔など
する隙があったら、今は…一秒でも長く抱いていたい
砂粒ほどの理性が、空虚に塗り潰される前に…お前を支配し、共に果てるまで…
だけど…交われば、交わるほど…ひとつになれない
体は繋がっても、心が引き離される
―何故…だ!…何故なんだ
こんな想いは、初めてだ