゚フラチナ・タイム。

□奏でる(3Z)
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『…っつ… 悪りぃー あやめ、ちょっと休憩』



いつものように、二人の熱の温度差を確かめ合う行為の最中。


何だか気がノらなくて、インターバルを申し出た。



夏用のリネンシーツに、ゴロリと寝っ転がる。夜の窓から、涼風が入ってくる。



風もサラサラ。シーツもサラサラしてて、心地好い。


しかし…最近ちと疲れ気味だな 体全体…なんか、特に…アッチの方も…


年か?いやいやいや!!そりゃあ、あやめに比べたら年寄りだけどよ


マダマダ、イケるよォ〜 おにーサンはァ〜 …多分


一念発起し、ムクリと体を起こす。そして、ベッドサイドの煙草に手を伸ばし、一息つこうとした。



「先生、なんだか疲れてるみたい…大丈夫?」



『あ〜 昨日遅くまで採点してたかんな 少しだけな 休んだら、続きすっからな 悪りィ…って…あやめ…何やってんの?』


煙草に火を点けようと、ベッドの端に腰掛けた。その膝の間から、可愛いあやめの顔が覗く。


…なんだ、このシチュは…


「あのね、いつも先生ばかりじゃ悪いなと思って」


そう言いながら、うっすらと頬を染めながら下から見上げる。


…う なんか、ツボったッ 可愛いーじゃねぇかッ コノヤローッッ!!


「私が出来る事、ないかなぁと思ってたの そしたら…」


そんな事言いながらの、この体勢は…もう、アレしかないよねッ 

突然の展開で、オジさん…動揺するんですけどッ

どーすんの?どォーすんのよ、これェェェーッ



『…なんか、想像できっけど ナニするつもりだ 言ってみろ』


「…え 何って…  」


戸惑いながら、赤面しながら一所懸命に応えようとしている恋人。



そんな姿を見ると、ますます意地悪したくなる。


俺の想像してる淫らな言葉を、あやめの口から言わせようとするなんて…


俺も、大概にしてSだね。


意を決して、あやめが口を開く。


立てに開くか、横に開くか…待て待て待て、やっぱ ダメだ 未だ18だからッ

未だ早いよ、やっぱ!そんなの!


と言いながら、怖いもの見たさで、あやめの口元を見てしまった、俺。


あやめの口は【い】を発音する時の形。そう、前歯を磨く時に開ける口の形。あの「いーっ」の【い】。



『……?…あやめ、言ってごらん』



「…千鳥の曲」


言った後、キャッと手で顔を隠したお嬢さん。


お嬢さーん、顔だけ隠したってダメですよ〜 他は全部見えてますよ〜



『千鳥の曲ゥ?何だ、そりゃ 何で知った?…誰から聞いた?』



「…金時さんが たまには、私の方から御奉仕するのも好いんだよって…」


『金時ィ〜?アイツ、あやめにナニ吹き込んだんだァ? なんか、嫌な予感がする …他に、アイツに何教わった?』


「…う〜んと…雁が音…とか?三つ巴?」


【金時】というキーワードで、俺の脳内隠語辞書が起動し始めた。


雁が音ってお茶だよなあ…千鳥の曲…千鳥の曲…これは本来、琴の曲だけど…どちらかと言うと今は、琴と尺八の合奏曲として有名…しゃく…雁…巴…!


『分かったァァァ!あんのやろうォォォ 回りくどい言い方しやがってッ!』
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