捧
□期間無限のサービスで
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冬の帰り道。
屋台で一杯ひっかけた後、ほろ酔いで千鳥足。
熱った頬に、師走の風。
『あー 寒みぃーな、なんで、こんなに寒みぃーんだよ、コノヤロー』
氷の粒でも含んでんじゃねェーのか?ってくれー冷たい風に、あたったせいか…
うすぼんやりしてた脳味噌が急に活動しはじめた。
…何かが …何かを思い出さなくてはマズイ気がして、ふと立ち止まる足。
その際に、思考回路も一瞬だけ止まっちまった。
『………アレ……?』
とりあえず、徐に冬の星座に向かって、はぁーっと白い息を吐いてみた。
今夜は都会には珍しいくらいの星空。こぼれ落ちそうな満天の星。
濃紺の夜空に、電飾みたいにチカチカと瞬いている。
なんか、女神とか本当に存在すんじゃね?ってくれー幻想的な星空だな。
…そう …天使とか…女神とか…妖精とか… …妖…精…と…か…?
…あー思い出しちまった、コンチキショー
俺は、ゆっくりと後ろを振り向いた。
…やっぱり、な
こんな時、何時もは直ぐ後ろをツイてくる奴が、今日に限って 来ない。
『ったくよォ いっつも、いっつも面倒かけやがってっ』
苛立ちを隠しきれず、口からボロボロと溢しながら今きた道を戻る。