捧
□花の揺り篭
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「あのね、あのね、さくらね、おっきくなったら、ふぶきと結婚するの」
「そう さくらちゃんは、風吹くんが好きなのね」
はらはらと春の花びらが舞い散る、ゆるやかな午後。私は娘のさくらと公園で花びらを集めて遊んでいる。
「さくらちゃーん!遊ぼうー!」
噂の風吹が走って来た。正に、風の如く颯爽と。父親譲りの銀色のくせ毛をはねらかせ、頬を上気させ、さくらの方へと一目散。
その風吹の後には、彼の父親が微笑みながら公園の入り口で佇んでいた。
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