妖怪アパート

□指の先にあるもの
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「なあ」
「んー」
 いつもの夜だ。
 すでに穏やかな寝息をたてているクリをはさんで、長谷と俺がのんびりと本をめくる。
 それは、長谷が泊まりに来たときの、ありきたりな夜で、だから俺はリラックスしきっていて、あまりなにも考えずに発言してしまった。
「おまえさ、ヤローの髪なんか、触りたいと思うか?」
 長谷がフリーズした。
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