?*忍
□すきスキ好き!
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宍戸は左腕で忍足を抱くと右腕でグッと床を押し、グルリと回って体勢を入れ替えた。
驚いたらしい忍足の引っ込んでしまった舌に今度は宍戸から舌を絡ませる。
「ンっ……ん…ぅ…」
するとすぐに忍足は体を弛緩させた。
忍足は強気に攻めてくるくせに、逆に宍戸に攻められればすんなりと受け入れ態勢になる。
ついでに猫みたいにゴロゴロと喉を鳴らしそうな勢いで甘えてくるのだ。
(なんだよ…、お前のほうが可愛いっつの…)
宍戸は心の中でぼやき、押さえられない勢いで欲情していく自分を感じながら忍足のネクタイを解いた。
「んっ……あれ…?するん?」
「……は?」
首を振って無理やり唇を離した忍足の言葉に宍戸は間抜けな声を出した。
「いや…おまえ、そのつもりで俺を押し倒したんだろ?」
「は?ちゃうよ、それより先に飯と風呂やろ」
だからキスだけで我慢しようと思ってたのに…と不満そうな顔をする忍足に、宍戸こそ不満だとばかりに顔をしかめる。
あれだけ煽るようなことをしておいて、コイツは。
「…ワリィけど、やめる気ねーから」
「はぁ?俺腹へったんやけど」
「知るか!飯より俺の下半身をどうにかするのが先だ…」
宍戸は忍足に密着するようにぎゅう…っと抱き付いた。
「く、苦し…っ!つか勃っとる宍戸!」
「そうだな」
忍足の腿には宍戸の少しだけ硬くなった自身が当たっていて、忍足は信じられないという表情で宍戸を見つめた。
「なんでキスくらいで勃つん!」
「なんでって………お前が可愛いから?」
「…な……っ…」
「や、お前が好きだからか」
「っ……お前なぁ…!」
忍足は珍しく赤面させられる。
それをニヤニヤと見つめるこの恋人は、こうやって二人きりの時にだけは平然と甘い言葉を吐いたりするのだ。
忍足は観念したように溜め息を吐いた。
「も、ええわ……付き合うたる」
「うわ、嫌々だな」
「そんなことあらへん…」
宍戸とするのが嫌なんてことは有り得ない、むしろ好きであるし。
ただ、今は本当に腹が減っているだけだ。
「一回だけやからな、そしたらメシ…」
忍足は言いながら宍戸の首に腕を回し頭を引き寄せ、ちゅっと唇を吸った。
「ん……了解」
宍戸は忍足の体をよいしょと持ち上げて(自分より大きい体はなかなか重い)すぐ側のベッドに仰向けに下ろすと、覆いかぶさって忍足の唇を深く奪う。
「ん…っ」
性急に舌を絡め合いながら宍戸の手は忍足のシャツの釦をテキパキと外し胸を顕にさせた。
外気に触れ粟立つ肌に手の平を滑らせると合わせた唇から忍足の声が小さく漏れる。
肌の感触を楽しむのはそこそこに宍戸の指は赤く色付く突起に触れた。
外気に触れたせいか少しだけ勃つ突起を親指で撫でるように優しく触れる。
「んっ……ん……」
忍足は甘く鼻を鳴らし触れられる突起は快感にぷくりと固くなる。
それを潰すように捏ねると忍足はびくりと震えて嫌々と首を振った。
重ねていた唇が離れる。
「ふっ…ゃ……そこ嫌…っ」
「気持ちいいくせに」
「んん…っ…やって……嫌や…」
忍足は宍戸の手を掴み動きを封じようとするが、指先が動いて突起を引っ掻いた。
「ンぁっ!…っも…やめぇや…っ」
そう言うが、忍足は本当に嫌がっているわけではない。
ちゃんと快感を感じていて、その証拠に反応を見せる忍足の自身が宍戸の太股に当たっている。
ただ、焦れったいその快感が堪え難いらしい。
一言で言えば堪え性がないのだ。
「ししどぉ…っ」
「…わーったよ、しょうがねぇな」
そしてすぐに先を求めるその姿は淫乱とも言える。
宍戸は突起を弄るのをやめて体を起こし忍足のベルトを外しにかかる。
いつもならもっとしつこく胸ばかりを攻めてやるところだが、今日はお腹が空いた忍足のために早めに終わらせるつもりだ。