?*忍

□紫煙、逢瀬
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「…大丈夫か」

「…ん、平気…」

榊は忍足の汚れた手を取り、ハンカチで白濁を綺麗に拭い取った。
汚れたハンカチは丸めてそこらに放り投げられる。

「…ティッシュ…、使えばええのに…」

「持っていない物を使えるわけがないだろう」

「ああ…そう…」

榊はずり落ちる忍足の体を抱き直し、黒髪に鼻先を埋めたり、口づけたりと戯れる。

「くすぐったい…」

忍足は小さく笑いながら、腹に回った榊の片手を取り顔の前に持ち上げた。
手のひらを向かせて、そこに自分の手を合わせてみる。

「俺のより、おっきいなぁ」

「そうだな」

「ふーん…」

何気なく、その手を顔に引き寄せて頬に当ててみる。榊は忍足の意外な行動に驚きつつ、ふっと微笑んで押し当てられる頬を撫でた。

「センセの手ぇは、いつもあったかい」

「お前の手は、少し冷たいな」

「うん、冷え性なんやろか」

「かもしれん」

他愛ない話をしながら、忍足は榊の手に頬擦りを続けた。
スーツの袖から、榊の香水と微かな煙草の匂いが混じった、嗅ぎ馴れた匂いがした。

「先生も今日、タバコ吸った?」

「ああ……朝に、車の中で吸ったが」

「そっか」

「……忍足、」

「ん?」

「そろそろお喋りはいいだろう…」

もぞりと、榊の脚が微かに動く。
忍足は振り返り、榊の顔を見つめた。
肩越しの顔はいつもと変わらず無表情だったが、微妙に眉が寄っている。

「私も、相当我慢しているんだが…」

「…うん、そうやと思った」

榊の言葉に忍足はニヤリと笑う。

「俺を見てただけで、そないになってまうんやねぇ」

「……わざとか」

「へへ、うん」

さっきから妙に腰を押しつけて来ると、榊は思っていたのだ。
しかし忍足を見れば無邪気に手を弄るばかりだし、深い意味は無いのかと思っていた。

「俺んナカ、入りたくて堪らんやろ」

「…お前の方こそ、じゃないのか?」

「…そりゃあな…、」

グイッと、忍足はまた榊の股間に腰を押しつける。榊は珍しく余裕がない様子で息を詰めた。

「固いのんがずうっと当たってりゃあ、そりゃその気にもなるわ」

「…素直だな」

「恥じらってるほうが好みやったっけ?」

「いや…」

榊は上着を脱ぎ、忍足の前にその上着を敷いた。

「お前であれば何でもいい」

「まーたクサいこと言いよるわぁ、この人は」

忍足は小さく笑いながら前に敷かれた榊のスーツに仰向けに寝転がる。
微かに開いた忍足の脚を、榊は膝を掴んでさらに広げ、間に体を入れるように覆い被さった。

「…俺も、先生やったらなんでもええで。全部好きや」

「全部、か」

「うん、もっと具体的に説明したろか?」

「いや…、もういい」

「っァ…」

榊の指が蕾に食い込み、忍足の身体がヒクッと引きつる。

「話なら、あとでいくらでも聞いてやる」

「…ん…」

忍足はコクンと小さく頷き、榊の首に腕を絡めた。






受け入れることに馴れていると言っても、いきなり捩込まれれば傷を負う。
その点、榊は丁寧な前戯を施してくれるから心配ない。
…丁寧すぎるのも辛いが。


「はァ…、ぁっ…センセ…ッ」

片足を持ち上げられ、丸見えのそこに差し込まれた数本の指がクチクチと音を立てながら出入りする。

「なぁ…っ、も、ええやろ…?指、四本も入ってるやん…」

「よく分かったな」

「ッア…!」

グッと指を突き入れられ、忍足の背がのけ反った。
深く挿さった榊の指は、前立腺を狙って擦るように蠢く。

「ふ、ぅん…ッ、センセぇ…やめ…ッ」

射精を促すような指の動きに、滾る精液はすぐそこまで襲い来る。

「やァ…っ、センセぇのん……欲しぃ…ッ」

「…欲しいか」

「んッ…、一緒が、ええ……」

「……分かった」

榊はやっと指を引き抜くと、忍足の身体を裏返した。
榊の上着に突っ伏した忍足は、榊に支えられながら震える膝をなんとか立てて腰を突き出す。

「入れるぞ…」

「ァ…」

大きな手が腰を掴み、熱く固い尖端が入口に触れる感触に、忍足の唇から期待するような吐息が漏れた。
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