?*忍

□夢から醒める
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「君は、なんでいつも俺の夢に出てくるの?」

目を瞑れば、そこには必ず忍足はそこにいた。


忍足はニコリと笑い、ポンポンと俺の頭を撫でる。

「…それは君が望んでいるからや」

言い終わると同時に忍足の全身が白く光りだし、慈郎は眩しさに目を閉じた。

「っ忍足…!?」

「夢は、俺の頭の中だ」

「えっ…」

忍足の声じゃない。


「俺が強く思っていること、望んでいることが見える」

閉じた瞼に当たる光りが弱まるのを感じ、慈郎はゆっくりと目を開ける。


そこには、自分がいた。



「もう分かったっしょ?俺」

俺がニッと笑って、俺を見つめる。

「……うん、分かっちゃった」

というより、何となくボンヤリとは分かっていたのだが、それが今、やっとハッキリとした形になった。


「ようするに俺は――」









「うわッ!…な、なんや…?」

忍足は驚いた。
突然、慈郎にガッと腕をつかまれたのだ。

「……ジロー?」

顔を覗き込んでみるが、目は閉じられたまま、規則正しい寝息もそのまま。

「…なんやねん…、脅かすなや〜っ」

「ぅー……、ぅ……」

再び鼻摘みの刑に処すると、今度は慈郎の口がもごもごと動き出した。
なにか言っているらしい。

「なんや寝言か?」

興味が湧き、忍足は慈郎の顔に耳を近付けた。


「…し…、…」

「…なん…?」

「し……たり…、」

「え、俺…?」

聞き取り辛いが確かに忍足と呼ばれて、ますます興味が湧いた。忍足は全神経を耳に集中させる。



「…ぉした…り………すき…」

「…………」

ぎゅう、と。
腕を掴む慈郎の手に力が籠った。
唖然と一点を見つめる忍足の顔が、言葉の理解とともに徐々に赤く染まっていく。

「な…っ、…す…?……え……すっ?…………すぅっ!!?」


ガタタッ。

…どうすればそうなるのか。
忍足は椅子から転げ落ちて、地面に俯せに倒れていた。



「すっ、好き…?……え、なんや…?お、俺の…こと…?」

はっきりと名前を呼ばれたにも関わらず、混乱した忍足は呟いた。

慈郎の目が覚めるまで、5秒前―











後書き。
いまいちまとまりがない…ですね。
あーほんと文章を書くのがうまくなりたいです。
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