?*忍

□忍足クンの災難
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「ちょっ、何やねんもうッ!」

「よお…、謙也だっけか?」

「え……ああ、なんや?」

跡部は足をバタつかせる忍足を無視し、ベッドから少し離れた位置に唖然と突っ立っていた謙也を見る。その顔は楽しそうに微笑んでいた。



「お前の大好きな侑士くん、抱かせてやるよ…」

「なッ、景吾…!!」

「るせェな、お前は静かにしてろ」

そう言うと跡部は突然忍足の股間を握り込み、忍足は息を詰めて黙り込む。
しかし、それで離れるかと思った跡部の手はそのまま股間を揉み始め、忍足の顔は真っ青になった。

「アッ…、…ゃ、やめ…!」

「ふん……、おい、お前もこっち来いよ」

「…え……」

跡部に手招かれた謙也は、戸惑いながらもベッドへと近付く。
二人のすぐ前に立ち、忍足を見下ろした。

「っや……嫌やッ…!」

途端、忍足は激しく暴れ出したが跡部がしっかりと押さえ付ける。

「暴れんな…」

「…やめろやっ…バカ景吾…ッ!」

全く抵抗ができない状態に、せめてもの抵抗と悪態を吐いたところで跡部が退くはずもなく、それどころかシャツの中に手を這わせてきた。
熱い手のひらが肌をゆっくりと這い上る。

「ッ…嫌やって…!」

「嫌じゃねェだろ…、なァ?」

「――ッア!」

固い爪に突起を摘まれ、前に放り出した足がビクリと跳ねた。

「気持ちいいだろ…?」

「っ…そういう問題やないッ!」

「ふん…、…おい謙也、いつまで突っ立ってんだよ」

「…っ……んなこと、言うたって…」

「いいからさっさと来い」

跡部の少し苛立った声に謙也はぎこちない動きで膝をベッドに乗せる。
しかしその後どうすればいいのかと戸惑っていると、跡部が忍足の脚を開かせ、そこに来いと促した。


「……謙也…っ…」

「…………」

忍足は、跡部の指示通りに脚間に入ってきた従兄弟の名を助けを求めるように呼んだ。
それまで目を逸らしていた謙也は忍足を見つめ、その喉が上下に動く。


「あかん……侑士……」

「い、嫌や…っ」

「堪忍な……」

「謙也ッ―――!」









―――分かる。

同じ男として、その気持ちはよく分る。

ずっと好きだったものが、目の前に“食べてもいいぜ”と差し出されているのだ。
そんなもの、食わない筈はない。

…しかしだな、
“食べてもいいぜ”と言ってるのは、その差し出されているもの自身ではないのだ。

そう、俺は断じて許可していない――。







「お前ら…ッ、マジでシバく…!」

「…ンな顔で凄んでも意味ねェっつの」

「ぅ…ッ、く、そ……、…謙也ぁ…っ」

くちゅくちゅと下腹から響く湿った音は、従兄弟の手と俺の性器の間で粘液が擦られるからで、跡部は跡部で乳首を弄ってくるし、俺は頭がおかしくなりそうだ。
…その前に目の前の従兄弟がヤバそうだが。


「…侑士…、めっさ可愛ぇな…」

「ッ…アホ言いなやっ…、…あぁ…っ」

謙也は熱っぽい視線を俺に注ぎ、俺が声を上げる度にうわ言のようにそう呟き、勃起した俺の性器を扱く。

「気持ちええ?こんなに濡れとるで…」

「やァ…ッ!」

蜜を零す先端の口をこじあけるように爪を刺され、突然の強過ぎる刺激に忍足の体は大きく跳ねた。

「ッ…暴れんなよ…」

跡部がきつく抱き締め、押さえ付ける。

「それにしても、あんなに嫌がってたくせになァ…?」

くすりと耳元で笑う跡部の声に、忍足の顔は真っ赤になった。
確かに自分は、さっきまで激しく抵抗していたと言うのに。

「随分と気持ち良さそうじゃねェか…」

「ッ…やかましぃわ…!」

否定できない自分が悲しい。現に股間はすっかり勃起していて、跡部に弄られている乳首だって紅くぷくりと立ち上がっているのだ。
誤魔化しようがない。


「いつまでも意地張ってねェで、素直に気持ちいいって言えよ」

「ッ…嫌じゃボケ!」

「ったく………おい謙也、コイツは舐めてやるのが一番悦ぶぜ?」

「な…ッ、景吾!!」

「そうなん…?」

「…えっ…、…え!?ちょっ…!」
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