?*忍
□王子様の休憩所
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今度は軽いものなんかではなく、唇、歯列を割って、舌が中へとはいってきた。
「は、ぁ……っ」
熱い舌と舌が触れ合って、ゾクリと項の辺りが甘く震える。
跡部は忍足の上に被さり、ソファに忍足を押しつけて唇を味わい続けた。
忍足は抵抗することなく、むしろ跡部の背に腕を回して跡部の舌に応えた。濡れた音が響き、瞳が潤んで視界が霞んでいく。
「ン、は………ァっ!」
舌を吸われて全身の力が抜ける。
濡れた唇を舐め、口端から零れた唾液を舐めとり、最後に唇を軽く吸って跡部は離れた。
「…っ……はぁ…」
「ご馳走さま」
「なんやねん……もぉ…」
すっかり息が上がってしまった忍足は、弱々しく跡部を睨む。
跡部はさっきまで疲れ切った顔をしていたのが嘘のように、すっきりした顔で笑っていた。
「やっぱりお前にくっついてんのが一番癒される」
「えっ…」
そう言って、またギュッと抱き付いてきた跡部に、忍足の顔が段々と赤く染まっていく。
「…は、恥ずかしいこと言いおって…」
「あん?本当のことだぜ?お前抱いてる時が一番落ち着くんだよ」
「もぉええよ…っ、ほんまにハズいっ!」
「ははっ、かわいい奴」
跡部はクツクツと笑いながら忍足の首にぐりぐりと頭を擦り付けた。
「も〜……、仕事せぇへんの?まだ終わってないんやろ?」
「ん……もうちょっと」
「……しゃあないなぁ…」
忍足は跡部の背中に回した腕に少し力を込めて、今にも寝息を立てそうな顔に擦り寄った。
「…お疲れさん」
忙しすぎる恋人に、少しの休息を。
終.