?*忍

□すきスキ好き!
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俺は宍戸が大好きです。


「ししどぉ、昼メシ一緒に食おうや」

「悪い、今日は長太郎と約束してんだ」

だからまたな、そう言ってヒラヒラと手を振り行ってしまった宍戸のことが。



「素っ気ないねぇ」

滝が言うとおり、その態度は素っ気ないけれど。

「今日は……て、毎日じゃん。浮気?」

ジローが言うとおり、鳳に宍戸を取られるのはここのところ毎日だけど。

「お前ら本当に付き合ってんの」

がっくんが言うように、俺らは恋人らしく見えないだろうけど。


それでも俺は宍戸を大好きで、「友達としてやなくて好きや」って伝えた俺に宍戸は頬を掻きながら頷いて、「俺も」と。
それ以来お付き合いしているのは事実です。


「宍戸のアレは照れ隠しや、照れ隠し」

誰がなんと言おうと、俺らは愛し合う恋人同士なのです。








すきスキ好き!









一緒に昼を食べようとしないのは照れ隠し。
鳳のところに行ってしまうのは、何か相談にでも乗ってあげているのだろう。
だから何も心配ない。
俺らは好き合っている、愛し合っている。

ちゃんと恋人同士。

周りにどう言われようと、忍足はそう言える自信があった。
……というか、実際に呟いていた。
呪文のようにブツブツと。

……宍戸の前で。



「…大丈夫だって、お前の言うとおりだから」

「!……ししど…」

宍戸の苦笑しながらの言葉に、忍足はホッとして俯いていた顔を上げた。
自信があるとは言ったものの少しは心配もあったため、宍戸の言葉にやっと安心する。

ここは忍足の家で、今は二人きりで忍足の部屋にてダラダラと寛いでいるところだ。
放課後、用事がなければここに来るのが宍戸の常だった。
そしてそのまま泊まって行くこともしばしば。

「今日は泊まってく?」

「ん、おう」

で、今日も泊まることに決定。
忍足は嬉しそうにへらりと笑い、それを見た宍戸も照れくさそうに笑う。
そのはにかんだ宍戸の顔が忍足は好きで、堪らず抱き付いた。

「あーししどー」

「なっ、なんだよ…っ」

突然抱き付かれた宍戸は床に押し倒されそうになるのをなんとか耐え、顔を赤くしながら大人しく抱き付かれておく。
忍足は宍戸の首に顔を埋めスンスンと鼻を鳴らした。

「はぁ……宍戸の匂いや…」

「はぁ?つか嗅ぐなよ…」

「えー?…ほな、舐めていい?」

「なっ……んでそうなる…」

ますます赤くなりながら呆れた顔をする宍戸に、忍足は満足げな笑みを浮かべる。
そして宍戸の額をツンっと人差し指で突っついた。

「亮ちゃんたら照れちゃって、可愛ぇんやからぁ〜」

「激ムカツクんですけど、それ」

そして気色悪いと、宍戸は吐き捨てるように言って顔を逸らした。
しかしその顔は赤いままで、かなりキツい言葉を吐かれた忍足だが本気の言葉ではないと分かるので笑顔のままだ。

「ホンマかわええわな、宍戸って」

「…ンだよ、さっきから」

可愛いと言われることがあまり嬉しくない宍戸は拗ねた顔をして忍足を見る。
二人っきりのときにはどんなにベタベタしたってからかったって、照れながらも受け止めてくれる宍戸が忍足には可愛くて愛しくて仕方ない。

「あーもう…、…チューしたろ!」

「は?ぇ、わっ―…ッぷ!」

忍足は宍戸の頭を抱き寄せて噛み付くようにキスをした。
宍戸は今度こそ押し倒されてしまい、ラグマットを敷いてあるとはいっても固い床に強かに頭を打ち付けた。

「〜〜…ッぅぅ!」

後頭部に走る痛みに涙を溜めて唸る。
一方忍足はそんな宍戸にお構いなしで、宍戸の唇を割ろうと舌で隙間を撫でていた。

「んん……宍戸、口開けぇや」

「……ハイハイ」

宍戸は大きな溜め息を吐いてから「ア」と口を開けてやる。
忍足は満足げに笑んでふたたび唇を合わせた。
すぐに舌が触れ合い、忍足が積極的に舌を絡める。

「んー……」

「ふ……ン…っ」

的確にポイントを攻めながら動き回る舌に、宍戸は小さく声を漏らす。
…しかしされるが侭では面白くない。
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