心の扉
□俺だけの太陽
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貴方の“赤”は俺だけの太陽。
【俺だけの太陽】
まだ“存在して”間もない頃。
感情も、動作も、思考も何もないまま生まれたあの日。
「なんだ?新米?」
俺の前に太陽が現われた。その時の俺にはとってもとっても輝いて見えた。
「名前は?」
「あ……えと、デミックス……です。」
さすがに最初からタメはマズいだろうと思い、俺なりに丁寧に返した。
そう言うと、先輩はにこっと笑って
「デミックスか。俺はアクセル。記憶したか?」
「えと、はい…。」
ゼムナスから名前をもらって機関に入ってから先輩の噂をよく聞いていた。
ほとんど機関員じゃなくて人間が口にしていたんだけど。
その話によると先輩は“おどる火の風”と恐れられているらしい。
機関の目的より個人の興味を優先して動くため、機関内でもつかみどころのないやつだってゼムナスが言ってた。
「なんか、顔についてる?」
「え、いや……そーゆーわけじゃ……。」
ぼぅーっとしてたら、先輩と目が合った。
“綺麗”
素直にそう思った。
エメラルドみたいな綺麗な緑色の瞳。
ずっと見ていたいってくらい綺麗だった。