NOVEL

□SWEET SWEET
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職員会議が終了し、着替える為の更衣室に通じる廊下をヴィレッタ・ヌゥは一人歩いていた。辺りには誰もいない。窓を覗き込むと見えてくるのは運動クラブの練習の様子。聞こてくるのは独特の気合の掛け声。
とてものどかな光景にヴィレッタは心を落ち着かせていると…

「ヴィレッタさん」

背後から彼女の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
その声に気づいたヴィレッタはすぐに振り返ろうとする。
だが、彼女が振り返ろうした瞬間、誰かが背後から小さな身体を思い切り抱き締める。

「ラ、ライ?!」
「当たり♪会議終わったんですね」

背後に抱きついた誰かが囁く。
耳元で囁かれた声を聞いて、一瞬後にはっとしたような表情になると、背中の誰かを強制的に離した。
離してみれば、にっこりと笑う銀髪の少年が一人立っていた。
その少年の顔を見るなり、ヴィレッタからは溜息が漏れた。

「……ライ、あれほど背後から抱きつかないようにと先日言ったはずだが」
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