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《オマケ》
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「…ところで九郎」


「なんだ」


「どうして僕の腕を抱いているのですか」


「お前も低体温で案外に心地よいからだな」


「…肌に砂がぱらぱら落ちてきて気持悪いのですけど」


「我慢だ我慢。お前、ここから出られないほど紫外線に弱いだろう。せっかくの浜辺なんだ、砂の感触ぐらい感じておけ」


「はいはい、分かりましたよ。まったく、君は真夏の生き物ですね」


「じゃお前は真冬の生き物だな」


「寒さは苦手ですけどね」

「暑さもだろう」



「あ。ね、九郎。こちらに戻る前に何かを食べましたか?」


「あぁ、『アクラム』でイノリと詩紋にかき氷をもらったんだった。酷く青くて丸い氷の山で…なんといったか、『どら○もんの後頭部』と題名を付けていたな詩紋が」


「へぇ、それを一人で食べてきたんですか」


「いや、将臣と食べたぞ。将臣のは黄色くて、『ど○みちゃんの後頭部』だったらしが」


「僕のぶんは」


「は?」


「僕へのかき氷はないのですか?」


「お前、寒がりだからかき氷を全部食べきれないだろ」


「九郎のを、ほんのちょっと分け与えてもらえるだけで良かったのに」


「この暑さで溶けてしまったんだ、許せ」


「………」


「弁慶」


「あ」


「弁慶?」


「九郎、舌をべーってしてみてください」


「は?」


「ほら早く」


「わ、わかった。…こうか」



「…ぷっ、あははっ、君の舌、真っ青ですよ。人の口ではないぐらい」


「なっ、そうなのかっ!?」


「くすくす、面白いですねえ」





……ちゅ。




「こら、弁慶っ」


「だって、僕もかき氷食べたかったから」



【終】


●アトガキ●
結局五条夫婦が一番甘い。
ヒノエの想いは敦盛にいまいち届いていない様子(笑)

そして梶原兄妹が出てない…○| ̄|_






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