戦国BASARA長編夢

□妖歌新月譚:蒼
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「まずはどこを見るの?」
立場のある人の視察の同行経験など、現代でもあるわけなく、全く想像が付かない。

「Leave it to me.いいから着いて来い!」
それは逆らいはしないけど…。
捕獲の為か手首を掴まれたまま、引かれるように進む。

「まずはここだな 好きなヤツを選べよ?」
着いたのは、見た事のある武器や道具の数々…。
もしや…BASARA屋さん?

「Hey!俺のshortyに合う上等な逸品を頼む」
迷いなくお店のおじさんに頼む。

「ぇ?えぇ?私、コレで十分です!」
姫は名ばかりで、お金持ってないのよ!?
というか、あのクセのある衣装なんて…。

「こちらは如何でしょうか?その背と肌のお色味にはお似合いかと…」
お市とまつの衣装だけど、蒼バージョンだ!!いやいやいやいや、太モモを出せと?
そりゃいつきとかかすが衣装じゃないだけいいけど…。

「…なるべく露出少なめでお願いします」
来てみろと言う政宗を制し、次をお願いする。

出てきたのは、これまた蒼基調の濃姫衣装。
あの深いスリット。胸元のはだけ。
…もう。スリット控えめにして胸元はちゃんとして着ようか…?や、でも着付け苦手だしなぁ…。

もう別に女性キャラのじゃなくていいんだけど…。

いろいろ悩んで、結局普通の…(といっても高そうな)袴と振袖の卒業式スタイルに落ち着いた。
振袖は蒼地に紋が入り、淡い色の花が流れる辻ヶ花。袴は振袖に合う裾に向かうグラデーションのえんじを地に、裾にはまた淡い色の花が刺繍されている。

「それなら訪問着にしてもイケんだろ?時期はHoneyしだいだがな」
そう言って含み笑いをする政宗。
そうねぇ。おばあちゃんになるまでずうっとこのまま着てるかもね。

その後、寝間着用の浴衣と羽織り、下駄、足袋、髪飾りなど一揃い準備されてしまった。
現代でこんな一揃い買ったら幾らになるんだろうか。
店の方に総額を聞けば、理解しがたい額。

…うん。とりあえず1番安い奴で揃えよう。
「待って、わたs「じゃ、それ貰ってくな」
……… お か ね が ……

どうしよう?今なら間に合う?
「そ、それ無しで!」

政宗と店の方がキョトンとして私を見る。

「…どうした?気に入らなかったか?」
怪訝そうに政宗は聞いて来る。

「…お金、持ってないの…」
ぽそり、政宗だけに聞こえるよう耳元に告げる。

しかし、笑われた。また、笑われた。

「女をshoppingに誘っておいて、金を払わねぇ野郎なんているのか?」
…? つまりは買ってくれるって事?
でもすごく高いの。もっと安いのでいい。

「不服そうだな。…そうか。俺を客にもてなしひとつできない野郎にしたいのか?」

いつの間にか俯いた顔を跳ね上げた。
「そんな!そうじゃなくて…」
いつかは返したいし、もし買ってもらうにしてもこんな額は申し訳ない。

「気に入ったんだろ?なら着てろ」
笑みを向けられて、何も言えなかった。
政宗は店の方と話し、満足気に戻って来た。

「あっあの、私、必ずお返ししするから」
どれだけかかっても、払い切れなくても。

「まだンな事言ってんのか。…Ahそうだな、返してもらおうか。ただし金以外でだな」
背に手を回されて往来へと促される。
ありがとうございました、と店の方の声がする。
言葉の意味を追う。お金以外?
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