戦国BASARA長編夢

□妖歌新月譚:蒼
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昨日、私があやかしではないと認められた、その翌朝の事だった。

朝餉を終え、湯浴みをし、部屋にて着替えていた時だった。

すぱぁんっ!!
「城下に行くぞ!honey!!」
ラフな姿の政宗。
ノックくらいして欲しい。


「おっとsorry. …にしても隠すにゃ惜しいstyleだよな」
明らかに悪いと思ってない…。

「出てって下さい。小十郎さんを「政宗様ァ!!あなたというお方は!!」
呼ぶ前に来てくれた。
そして連れ去ってくれた。

再び静かになった部屋で、私は着物を纏う。
和装はさらしで胸を潰さなきゃいけなくて本当にキツい。
そのうえ着付けに馴れてないから時間はかかるしキレイにできない。

やっと形になって襖を開ければふて腐れたように胡座をかいている政宗の姿。
きっと小十郎さんに、私の着替えが終わるまで入るなって怒られたんだ。

「お待たせ、しました…?」
「まぁな。Ladyが準備に時間かけんのは仕方ねぇだろ」
謝るべきか迷った。

「そんな顔すんなよ?せっかくのdateだ。楽しく行こうぜ」
そんな私の気持ちを汲んだのか、手を掴むと歩き出して行った。

「デートって、ただの城下視察ですよね?」
ぴたり足が止まる。

「敬語」
ぽつり、漏らされる言葉。

「ぇ?何ですか?」
「何でンな堅っ苦しい喋り方をすンだ?」
「ぁ…それは、その、政宗はこの奥州を治める方ですから…。私の身分を考えれば当然だと…」
「ha!なら竜の宝って身分も相当高いぜ?しかもhoneyは俺の正室なんだから文句なしにな」
「お優しいんですね。みなさんがその背を追う理由が解ります」
政宗の立場で言うその言葉には、責任が重くかかる。
それでも、そんな冗談を言ってくれるんだ。

「…解ってんだか解ってねぇんだか…」
解ったなら敬語を辞めろって事ね。

そうして私は、戦装束とはまるで違うラフな政宗と城下に下りた。

「おら、時間がねぇ。行くぞ!」
「は、うん!」
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