戦国BASARA長編夢

□妖歌月譚:諸
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いつもの毎日を過ごしていた貴女。
いつもの様に自分の家で眠りにつきました。

目が覚めると、何やら強い風を感じます。何故か空から落ちていました。

「なッ!? 何コレっ!? 何で落ちて!? ひ、きゃぁぁぁああ!! っ!!」

ドサン!!

「あ、いたたた…ぁ、れ?生きて‥る…?」
明らかにケガする高さだが無事だった事を、不思議そうに確認した。

「ぅ…‥ぐぅ…」
どこからかうめき声がする。
回りはどうやら作物生い茂る畑のようで中々見えない。

突然、下の地面が動いた。
お約束な事に人を下敷きにしていた。

「わわわ、ごめんなさい!大丈夫ですか…?」
すぐにどき、手を差し延べる。

ふと、目に留まるその下敷きにされた人の姿。
いくら地方の農家でも、しかも子供がこんな格好はしないとひと目で解る、服装。

「草太〜大丈夫かぁ〜?」
遠くから男の声が近づいてくる。

下敷きにされた人は、貴女の手を取らずその場に立ち上がると土を払う。
小中学生位の男の子だった。

「なんもねぇ!」
その子はそう不機嫌そうに怒鳴ると、背を向け作業を始める。

「あの、本当にごめんなさい!どこか打ってたら大事だし、病院に行きま…」
「びよいん?何だそれ?寺か?」
驚いた。この現代にそれを知らないなんて有り得ない。

「はぁ、はぁ、草太。そのお方、は、てん」
先程声をかけた男が走って切らせた息で伝えようとしている。

「何だよ!?偉い姫さんなんだろ?何もしてねぇから気にすんな!」
草太は不機嫌なままに怒鳴る。

「っ違うべ、草太。その方は空から降って来たべ。天女さまだ」

「「天女!?」」
貴女と草太の声が重なる。

「な、な?おれ…すまねぇだ!勘弁してくれ!おれ、てっきり狩俣の戯れかと思っただ」
草太は頭をそれこそ土下座で下げる。

「あ、あの、止めて下さい。私は…」

「さっきの びよいん? も天女さまのおわす所か?そんな所、おれには、勿体ねぇ」

草太は頭を下げっぱなしで男は拝んでいる。

「どうか、顔を上げて下さい」
そう言いながら、草太の肩に触れて促した。
額と鼻の頭に着いた土をその指で拭い取る。

「手が汚れちまうべ!勿体ねぇ!!」

「そんな事。後で洗えば済みますから」

それが、この世界への一歩目だった。
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