*TSUBASA‐K×F‐*
□つきよ
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思い切り泣いて涙が自然に止まるまで、黒さまはオレを抱き締めて、優しく背中をさすってくれていた。
「…くろさま…」
「なんだ」
「…えっと…ごめんなさい」
「なにが」
「…服、濡らしちゃった」
「気にすんな」
「…ん…」
「少しは落ち着いたか」
「うん、ありがとー」
「眠れそうか」
「…えっと…」
言葉に詰まると苦笑いされる。
「…わかった、なら眠れるようにしてやろうか」
「え…?」
何のことかわからず首を傾げる。
すると、突然首筋に唇を寄せられた。
「…ぁんっ…」
思わず漏れた声が恥ずかしすぎて顔が
かぁっと熱くなった。
そんなオレにお構いなく、黒さまはオレを軽々と抱えあげると、花見をしていた誰かが置いていったらしい広げたままのゴザの上にオレを横たえた。
黒さまのシルエットの後ろに満開の夜桜と、まんまるな月。
何だかすごく幻想的だ。
…あれ?
思わず漏れた笑みを、黒さまが不思議そうに見咎める。
「…さっきまで、不気味な夜だと思ってたのに」
君がいるだけで、世界はこんなに美しく変わる。
後半は口に出さなかったのに、黒さまはちょっと呆れたみたいに笑って、オレの髪をくしゃっと撫でた。
そして、まるで大切な贈り物を開封するみたいに、愛しげにオレの衣服を一枚一枚剥いでいく。
誰もいないとはいえ、こんな場所で脱がされていることが、そして何より、それを本気で嫌がるつもりが毛頭ない自分が、恥ずかしくてたまらなかった。
「…くろさまぁ…や…」
せめて形だけも抵抗して見せながら、オレの身体は先を期待して火照ってしまっている。
あまりの羞恥に泣きたくなった。
「…そんな顔すんな。苛めたくなるだろ」
「なにそれ…」
「…大丈夫だ、誰もこねぇよ」
…黒さまには、全て見透かされてしまう。
オレなんかが太刀打ちできる相手ではないんだ。
生まれたままの姿になったオレの素肌に、黒さまがちろちろと舌を這わす。
「…ん、は…っぁ…」
擽ったいような焦れったいような微かな刺激に身体の奥がむずむずと疼き始める。
「…ゃっ…ぁあ……」
鎖骨の窪みをペロリと舐められてぞくりと背筋が粟立つ。
胸元を念入りに舐め回され時折チュッと吸われて緩やかな快感に頭の芯がぼぉっとなった。
「…ぁぅぅ…ゃ、ぁん…」
乳輪を、片側は舌で、片側は指先でくるくるとなぞられ、黒さまの思うがままに息を乱される。
「…ゃ、やぁ…やだぁ……」
ピンと尖った乳首が疼いてたまらず、勝手にすがるような泣き声が漏れる。
その途端に両方の乳首を舌と指でつんとつつかれた。
「ぅ、はぁっ…!」
びくん、と腰が跳ね上がった。
尖った乳首を舌と指で同時に刺激される。
舌は触れるか触れないかの軽いタッチで、指では尖った乳首をコリコリと転がされ、気持ちよくて堪らない。
快感は沈殿するみたいに腰に貯まっていって、オレの思考を奪っていく。
軽く舌を触れさせていただけだった左の乳首を突然ちゅっと強く吸われて、びくりと身体が跳ねた。
「…ぁ、あぁっ…や、だぁ…」
「イヤならやめるか」
笑いながら言われて、からかわれているだけだとわかっているのに、すがるように黒さまを見上げてしまう。
黒さまはくくっと笑ってとっくに硬くなったオレ自身に手を伸ばした。
「相変わらず、敏感だな」
「…ぅ…いじわるぅ…ぁ、あぁぁっん…!」
弱い先っぽをいきなりくりくりと弄くられて、強い快感に腰が浮き上がる。
「気持ちイイのか?」
わかってるくせにそんな恥ずかしいことを聞く黒さまを睨み付けると、まるで苛めるみたいにめちゃくちゃに扱かれた。
「ぁぁあっっ!だめぇッ…そんな、したらやだぁぁっ…!」
一気に登り詰めてしまい、射精の予兆に身体がぶるぶる震える。
「イキたいか?」
そんなこと聞かなくてもわかってるくせに。
無視を決め込むオレを黒さまが愉快そうに見つめた。
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