*TSUBASA‐K×F‐*

□いでたち
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「…大丈夫か?」

ぐったりとシーツに沈んでしまったファイに呼び掛けるが、返事はない。

…と思ったら、ぽかぽかと胸を叩かれた。

「くろさまのばかぁ…!!くろさまなんか一生ぬいぐるみになっちゃえ!!」

まるで子どものような悪態に思わず笑ってしまう。

「悪かった、おまえが可愛いこと言うから止まらなかった」

悪びれず言うとファイは真っ赤になった。

「…もーぅ…」

そしてファイはおもむろに、そそりたったままの俺自身に手を伸ばした。

「…おい、」

俺の言葉を聞こうともせず、ファイは俺自身にしゃぶりついた。

「…っ…ん…むぅ…」

一生懸命口を開いて口淫をするファイに、俺は一気に余裕をなくした。

「もういい、入れたい」

簡潔に言うとファイは残念そうに口を放した。

「オレも黒たんを虐めたかったのに」

むくれるファイはやっぱり子どもみたいで笑ってしまう。

「それはまたの機会に」

後ろを指で慣らそうとしたが、ファイが流した大量の先走りでその必要はないほど柔らかくほぐれていた。

「痛かったら言えよ?」

念を押して、ゆっくりと自身を沈めていく。

「…ぅ…あぁぁ…」

それだけでファイが甘い声を漏らす。
よほど敏感になっているのだろう。

ぴくぴくと小刻みに締め付けられて、入れただけでイッてしまいそうだ。
堪らず腰を打ち付け始める。

「んっ…あぁぁっ!…くろ、さまぁ…」

涙声で呼ばれて動きを緩め、ファイの顔を覗き込む。

「どうした?」

「どうしよう…オレ、もうもたない…」

「いいじゃねぇか。イッちまえよ」

「だって…アァぁっっ!!」

律動を再開し、勃ち上がって震えるファイ自身も扱いてやる。
さっきはあれだけ焦らして虐めたのだ、今度は好きなようにさせてやりたかった。

「あっ、や、くろさまだめっ!もぉでちゃうよぉ…!」

キスで泣き声を封じ込め、細い腰を抱えてラストスパートをかける。

「ん、んんぅ!んんッッ!!」

ファイはくぐもった嬌声を上げて再び射精した。
後ろがきゅうきゅうと収縮し、俺もすぐに登り詰めた。





「…ねー、くろさまー?」

2人で達して口付けを交わしたあとしばらく黙っていたから、眠ってしまったのかと思ったがそうではなかったようだ。

「なんだ?」

「オレは、くろさまがどんな姿でも、くろさまがわかるよ」

「ああ、そうみたいだな」

「…くろさまは?」

「…は?」

「オレの姿が変わっても、オレのこと見付けてくれる?」

「…さぁな」

「…えー、ひどーい」

ふざけた口調で言うが本気で落ち込んだ様子のファイに思わず笑ってしまい、またぽかぽか叩かれた。

「…代わりに」

ぽつりと言うとファイは手を止めて俺を見た。

「おまえから、目を離さない」

ファイの顔に驚きの表情が浮かび、そのあとみるみる赤くなっていく。

「…好きだ、ファイ」

そう言って口付けるとファイがぎゅうっと抱き着いてきた。
抱き締め返して柔らかな金髪を撫でてやると、ファイは安心したように目を閉じた。

























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「侑子今日は楽しそう!何かあったの?」

「あら、モコナは鋭いのね」

「うん!モコナ108つの秘密技の1つなの!」

「ちょっとおもしろいものが見られたのよ」

「そうなんだー」

「今度はファイを銀生にしてみようかしら…」

「ぎんせー?」

「モコナは気にしなくていいのよ。お休みなさい」

「うん!お休みなさい、侑子!」








*END*
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