*TSUBASA‐K×F‐*

□ぬくもり
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「…黒さま…?」

すっかりその気になっていたファイが訝しげに黒鋼を見上げた。

「洗ってやるよ」

そう言って黒鋼はファイを腰掛けに座らせた。

「…うん…」

ファイは逆らいはしないが、反応してしまっている自身を隠して恥ずかしそうに俯いている。

黒鋼はボディソープをたっぷりと手に取ると、泡を滑らせるようにファイの首筋を撫でた。

「…ぁんっ…!」

途端にファイの身体がびくっと跳ねる。

気にせずそのまま首やあごの下を撫で回すと、ファイに手を止められた。

「…ゃ…黒さま…くすぐったいよ…」

上気した頬に潤んだ瞳、上擦った声。
黒鋼の理性を奪うには充分過ぎるほどだった。

「じっとしてろ」

有無を言わさぬ口調で言って、黒鋼は悪戯を続けた。

丁寧に肩を撫で、二の腕やわきをそっと擦ると、擽ったそうに小刻みに震えながらもファイはされるままになっている。

もっと苛めたくなり、黒鋼は更にボディソープを手に取ると、今度は両方の乳首に泡を塗り込め始めた。

「…あぁんっ!」

途端にファイの身体がびくんと跳ねる。
逃げ出しそうに揺れる身体を後ろからがっちりと抑えて、黒鋼は執拗に乳首を弄る。

「あ、ぁあっっ!…くろさま、やだぁっ…!」

泡がすべる感覚がいつもと違って、めちゃくちゃ感じてしまう。
ファイは必死に逃れようともがくが、黒鋼の力には敵わない。

「イヤじゃないだろ」

黒鋼はからかうように言って、びくんと勃ち上がったファイ自身を目で示す。

黒鋼の視線を感じたファイも自身の状態に気付き、真っ赤になって俯いた。

「感じるんだろ?」

意地悪く聞かれ、ファイはいやいやと首を振る。
黒鋼は愉しげに笑いながら、2つの乳首を指先でつまんでくりくりと転がした。

「ぁぁっ…ひゃあぁっん…!」

ファイが高い声をあげてのけぞる。
乳首しか触れられてないのに、感じ過ぎてどうにかなってしまいそうだった。

「ここだけでもイケそうだな」

笑いながら言われて羞恥に涙がにじむ。
でも本当に、このまま弄られていたらイってしまいそうなぐらい感じていた。

びんびんになった自身は先端から蜜を溢して震えている。
早くそこにも触れてほしくて、ファイは無意識に黒鋼の身体に腰を擦り付けてしまっていた。

「相変わらずやらしい身体だな」

意地悪な黒鋼の言葉に、ファイは本気で泣いてしまった。

黒鋼と触れ合いたかっただけたのに。
ずっと黒鋼を求めていた身体が、ようやく触れられて疼いてしまうのはどうしようもないのに。

待ちきれなかったのは自分だけで、黒鋼は平気だったのだろうか。

黒鋼に触れられるだけで昂ってしまう自分を、蔑んでいるのだろうか。

泣き出したファイに気付き、黒鋼は困った顔になる。

愛しい恋人は、恥ずかしがりで、うぶで、純粋なのだ。
追い詰めてしまうような虐め方をするべきではなかった。

「…泣くなよ」

顔をこちらに向けさせ、強引にキスする。

「おまえがあんまり可愛いから虐めたくなるんだ」

そう言って、華奢な身体をぎゅっと抱き締める。

「…黒さまなんかキライ」

すっかりむくれてしまったファイにじとっと睨まれ、黒鋼は苦笑した。

「嘘つけ」

「な…!」

「嫌いなやつに触られてこんなになるか?」

そう言って、勃ち上がったままのファイ自身に触れる。
泡だらけの手で扱きたてるとびくびくと身体を跳ねさせながら甘い声をあげた。

「あ、あぁっん!ふあぁぁっ!!」

先端を指先でこね回し、括れに泡を擦り込み、裏筋を何度も擦り上げる。

「ぁっ、あぁ、ぁっ…ひゃあぁぁっ!」

ファイは迫ってくる絶頂に身を震わせながら黒鋼の身体にすがりついた。
久しぶりでいつも以上に感じてしまい、呆気なく登り詰めてしまう。

もうイく…!

そう思ったとき、自身を刺激する黒鋼の手が一瞬止まった。
そして再開した刺激は酷く緩慢なもので、ファイはもどかしさに涙ぐむ。

「ぃゃあぁっ…!」

自分の弱い部分も好きなやり方もイきたくなるポイントも限界も、何もかも知られている相手に焦らされるのは苦しくてたまらない。

「ゃだぁ…!くろさまぁ…」

久しぶりで我慢のきかないファイは泣きながら黒鋼にすがりついた。

「…もぅやぁっ…!くろさまぁ…おねがい、じらさないで…」

「随分素直だな。溜まってるのか」

黒鋼の言葉にファイは真っ赤になって俯く。

「だって…っ!…久しぶり、だから…」

「自分では抜かないのか」

「な…っっ!」

「おまえが自分でしてるとこなんて想像もつかないけどな」

くくっと笑う黒鋼に、ファイは消え入りそうな声で訴えた。

「…オレだって…自分でしたことがない訳じゃないよ…。でも…くろさまに、さわってもらうの、気持ちよすぎて…自分でしたいと思わないんだもん…」

あまりの可愛さに黒鋼は絶句した。
そして、おもむろにファイのあごを引き寄せると舌を絡める深いキスをする。

焦らして虐めていたファイ自身もキュッと握りしめて上下に扱きたてる。
泡だらけの先端を指先でくりくりと責めるとファイの身体が強張った。

「…ぁん、あっ、ぁあっッ!…だめ、もぉいくぅっ…!!」

ビクビク震えながら黒鋼にしがみつき、ファイは黒鋼の手の中で射精した。

ぐったりと崩れそうになる身体を支えて、黒鋼はシャワーを取るとファイの身体を流し始めた。

「…黒さま…?」

身体を流されたあと抱き上げられて浴室から連れ出され、ファイは不安そうに黒鋼を見上げた。

…戯れただけで、抱いてはくれないのだろうか。

別に抜いて欲しかった訳じゃないのに。

…黒鋼と、繋がりたかったのに。

ファイの表情を見た黒鋼は思わず笑った。

「おまえ、笑ってないときは考えてること顔に出るよな」

「…………」

「悪いがここでやめて寝かせてやれるほど人間できちゃいねぇよ」

互いの身体をタオルでふきながら黒鋼は言った。

「風呂場も悪くないが、久しぶりだしな。続きはベッドで、な」







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