*TSUBASA‐K×F‐*
□つながり
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「・・かまって、てぇのはこういうことか?」
俺はわざとからかうように言って魔術師の服の中に手を入れ、胸元をすっと撫でた。
「あ・・っ」
魔術師はぴくっと震えてやけに色っぽい声をあげた。
そして恥ずかしくて死んでしまいそうだというように目を伏せる。
セクハラ、などと言って振りほどかれると思っていた俺は逆に焦った。
前に手を出してわかったことだが、こいつはめちゃくちゃ敏感で、コドモみたいに不慣れなくせに、理性が飛びそうなぐらい艶やかな表情を見せるのだ。
前回はどうにか止められたが、次は最後まで奪わなければ気が済まなくなるだろう。
俺は魔術師から離れて立ち上がった。
「・・黒、さま・・?」
魔術師が不安そうに揺れる目で見上げてくる。
「なんだよ」
ぶっきらぼうに言うと、魔術師はへらっと笑った。
「・・なんでもないよー」
俺は盛大にため息をついた。
「っとにめんどくせぇやつだな」
ベッドに戻って魔術師のさらっとした髪をくしゃくしゃにかき回す。
「言いたいことがあるならはっきり言え」
すると・・俺にとって予想外の出来事が起こった。
しばらく黙って俯いていた魔術師が顔を上げ、やけに据わった目で俺を見ながら言ったのだ。
「オレ・・黒さまのこと、好きでいてもいいかな」
オレの言葉に、黒鋼の周りの空気が凍り付いた、気がした。
(あーあ、引かれちゃった)
「黒さ、んんっ!」
黒鋼が、フォローしようとしたオレの口を押さえ付けた。
勢いがありすぎてそのままベッドに押し倒される。
口元をきつく押さえつけられたままでベッドに押し付けられて、呼吸が苦しくなった。
「んんぅ・・っ!」
じたばたと暴れると、黒鋼がびっくりしたように手を離す。
「わりぃ、大丈夫か?」
少しむせるオレの背中を黒鋼の大きな手がさすってくれた。
「黒ぽんひどいよー」
「わりぃ」
「どうかしたのー?」
オレの問いに、黒鋼は衝撃的な言葉を吐いた。
「・・気になってるヤツに告白されて焦った」
魔術師は目をまるくして俺を凝視した。
それが可愛く見えて、俺は思わず魔術師を抱き寄せてキスしていた。
「黒さま・・」
すがるような目で俺を見上げる魔術師に、俺は、欲情した。
「てめぇを抱く。文句あるか」
魔術師は驚いたように目を見開いたが、それからやわらかく笑った。
「・・ない、よ」
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