*TSUBASA‐K×F‐*

□はじまり
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「・・・信用、できないか」

「え・・・?」

ふいに黒鋼が呟いた言葉がよく理解できず、首をかしげて見上げると、唐突に身体が強い力に包まれた。

(抱きしめ、られてる・・・?)

身動きできないぐらい強く、黒鋼の身体に包み込まれている。

「黒さまー?どうかしたの?」

「てめぇを見てるといらつくんだよ!」

「うーん・・・そう言われてもねぇ・・・」

「その性根、叩き直してやる」

「くろ、さま・・・?」




「ちょっと黒さま何するの?!」

抱き締められた体勢のままベッドに押し倒されたかと思うと、いきなり服を引き剥がされる。

「黒さま!」

「静かにしてろ」

「静かにしてられるわけ・・・ちょっと黒たん・・・やめて」

乱暴に引き裂かれた衣服で腕を縛られて、オレは本気で焦った。

「やめねぇよ・・・てめぇが本音を吐くまではな」

「くろ、さま・・・」



縛られて動けないまま、黒鋼に身体をまさぐられる。

既に着ていたものは全て脱がされて、明るい室内でオレは生まれたままの姿をさらけ出している。

だけど、羞恥を感じる余裕もない。



本当に、嫌われてるんだな・・・

オレは、嫌いじゃないのにな。



泣きそうな気がしたのに、こぼれたのはいつもの笑みだった。

それを見た黒鋼が更にイラついたのがわかる。

でも、黒鋼は別に乱暴するでもなく、ただオレの身体を撫で回しているだけだ。

何か迷っているようにも見える。

「・・・黒りんの、好きなようにしていいよ」

・・・それで少しでも、気が済むのなら。

黒鋼が驚いたようにオレを見た。

・・・そして。

「ん・・・!」

唇を、重ねられた。






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