*F×other*

□HAPPINESS
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俺は、もう1時間以上も携帯を手に悩んでいた。

「周助先輩、こういうの嫌いかな…」

机の上には新作映画のパンフレット。
好きな人と出掛けるのは、俺の夢だった。

周助先輩と、手を繋いで歩けたらいいな…。

それには、とにかく誘わないと。

俺は勇気を出して周助先輩に電話した。




「あれ、長太郎だ」

僕は読んでいた文庫本を置いて携帯を取った。

「もしもし、長太郎?」
「あ…おはようございます…!」
「おはよう。どうしたの?」
「あの……」
「ん?」
「…………」

僕は長太郎に聞こえないように小さく笑った。
長太郎は、意外とシャイではにかみ屋だ。
そういうところもとても可愛い。

「長太郎も今日は部活休みなんだよね。何してたの?」
「えっと…映画の、パンフレットを見てました」
「へぇ…映画に行くの?」
「あ…俺、あの…周助先輩、映画とか嫌いですか?」

ここにきて、漸く長太郎の意図が分かった。
僕は思わず微笑んだ。




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