*F×other*

□裏切りと出逢い
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青学との練習試合の朝。
俺は張り切って部室に向かっていた。

「よぉし、今日も一球入魂だ!」

部室のドアに手を掛けた俺は、中から聞こえる聞き慣れない声に思わず手を止めた。

「にゃんだよ!最近全然会ってくれなかったくせに」

(この声は、菊丸さん…?)

どうして菊丸さんが部室にいるんだろう。
不思議に思ったが、次に聞こえた声に全てが明らかになった。

「俺様に会えなくてそんなに寂しかったのか」

(え……嘘、だろ…?)

聞こえてきた跡部さんの声は、俺が掛けてもらったどの声よりも優しくて、甘かった。


『長太郎…今日俺様の家に来い』

『どうした、長太郎。さっさと脱げよ』

『まったく、おまえは淫乱だな』


…部室の中の二人の会話は。

「もうあったまきた!跡部なんか知らない!」

どう考えても。

「ふっ…おまえは相変わらずお子様だな。ほら、拗ねてないでこっち来いよ」

…恋人同士のもので。




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