*F×other*

□欲情
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「しゅーすけ先輩…」

やけに甘えた声で長太郎が僕を呼んだ。

「どうしたの?」

「……う……」

顔を覗き込んで問い掛けると長太郎は頬を赤らめて困り顔になる。

「そんな可愛い顔してると襲っちゃうよ?」

冗談半分で言うとぴくっと震えて、小さくこくりと頷いた。

それから亀みたいに首をすくめてぎゅっと目を閉じる長太郎を見て思わず笑ってしまった。

「長太郎…シたいの?」

少しだけからかうような調子で問うと泣き出してしまいそうな表情になったから、長太郎を抱き寄せてほっぺたにキスをした。

そして、寝間着代わりのスウェットごしに長太郎の下半身をまさぐる。

ゆったりしたサイズだから見た目にはわからないが、触れてみると長太郎自身が既に緩く勃起しているのがわかった。

「ふふ、すっかりその気みたいだね。…ココ、どうして欲しい?」

布ごしに指先で形を辿るように撫で上げると長太郎がもどかしそうに身をよじる。
すがるような目で見つめられて、どうしようもなく悪戯心が湧いてしまう。

「長太郎、さっきから何か見てると思ったら、エッチな本でも読んでたの?」

「そんな…っ、違います…!」

違うことなんてわかりきっている。
長太郎が見ていたのは、次のデートの行く先を物色するための観光雑誌で…その雑誌を買ってきたのは他ならぬ僕なのだから。

「じゃあどうして急に欲情しちゃったの?」

わざと笑いながら尋ねる。
そして、真っ赤になって俯く長太郎に追い討ちをかけるようにスウェットの生地ごと長太郎自身を揉みしだいた。

「…あぁんっ!」

長太郎がびくんと跳ねて甘い声をあげる。

逃げようとする身体を片腕でがっちりと抑えて、スウェットの中に手を入れた。

「…ひゃんっ!」

手が冷えていたせいか長太郎がぴくりと仰け反った。

宥めるように下腹部を撫で回し、半勃ちの長太郎自身にそっと触れた。

「長太郎、ココ、どうされたい?」

軽く添えるように触れるだけで何の刺激も送らずに意地悪を言う。

「…ぅ………」

長太郎は赤く火照った顔で困ったように眉を下げる。

…そんな顔をされたら、もっともっと追い込みたくなってしまう。

僕は長太郎の頬に口付け、ほんのり赤くなっている耳朶にチュッと吸い付いた。
ちゅくちゅくと吸い、舌先で舐め回すと長太郎が小刻みに震えだした。

「…しゅうすけ先輩のいじわるぅ…!」

いやいやと頭を振って耳への刺激を避け、今にも涙が零れ落ちそうに潤んだ目で見つめる長太郎。

…可愛くて可愛くて…もっと泣かせたくなってしまう。

「どうして欲しい?」

もう既に硬く張り詰めている長太郎自を根本から先端に向かって軽いタッチで撫でると、長太郎はぶるぶると首を振りながら僕の腕をギュッと掴んだ。

「ん、あ、あぁっ!!しゅうすけ先輩…いじわるやだぁっ…」

「へぇ…触られるのが嫌なの?」

わざとそんな意地悪を言ってスウェットから手を抜く。

「やぁっ…!ちがいます…しゅうすけせんぱい……おねがい…」

もどかしそうに腰を揺らめかせながら泣き顔で訴える長太郎に酷く欲情した。

苦しげな泣き顔が可愛くてたまらない。

僕にしか見せない顔を、もっと知りたい。

焦らして焦らして、ぎりぎりまで追い詰めて、救いを求めて僕にすがりつくところが見たい。

「弄って欲しかったら、服を脱いで」

有無を言わさぬ口調で言うと、長太郎は恥じらいながらもおずおずと自らの衣服に手をかけた。

少しずつあらわになる美しい肢体を舐め回すように見つめる。

しなやかに筋肉のついた無駄のない肉体と、既にびんびんに勃ち上がる長太郎自身。
すっかり成熟した身体とは裏腹に、不安げに震えるまだ幼さの残る瞳。

長太郎の全てが、まるでオーダーメイドのように僕の好みにぴったりとはまる。

…もしかしたら、僕の好みの方が長太郎に合うように変わったのかもしれないけれど。

そんなことを考えながらじっと長太郎の身体を眺めていると、泣きそうな声で訴えられた。

「…しゅうすけせんぱい…はずかしいよ…」

羞恥だけではなく不安にも苛まれた顔ですがるように見つめられると、意地悪はやめて思いきり優しくしてあげたくもなる。

それでも、底知れぬ嗜虐心がふつふつと沸き上がるのを抑えることはできない。






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