dream
□sweet sea date☆
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それにしても暑いなぁー。
咢の後姿が見えなくなって数分。私はビニールシートの上に体育座りをして、ぼーっと浜辺を見渡していた。するとこんがりなお兄さん方が、明らかにこっちに向かって歩いてくる。
ん?なんだ?
お兄さん方は私の目の前までやってきた。
「ねぇねぇ彼女ひとりぃ〜!?あっお友達と来てるのォ〜?」
「カワイイねぇ〜!俺達と夏の海エンジョイしようぜ☆」
……アイタタタァ〜。
「いや結構です、もう十分エンジョイしてるんで。」
最大限だるそうに答えた。
「えぇ〜全然そうは見えないって!なんかだるそうだし!」
「そうそう!向こうの岩場までトゥギャザーしようぜ☆」
ルーかよ!
「しません!」
「ちょっとだけ付き合ってよ!」
男は私の手首を掴んで、立たせようとする。強い力に、なんとか中腰位のところで粘る。
「ちょっ…離して下さい!ライフセイバー呼びますよ!」
「俺らと楽しいシーライフ送ろうぜ☆」
しつっこい!
「やっ…あぎと―……!」
「おねいちゃぁん!!!!」
「ギャッ!!」
いきなり横っ腹に激しいタックルをかまされ、ドサッとその塊もろともビニールシートに倒れこむ。
「なっなんだぁ〜?」
「お姉ちゃん!カキ氷買ってきたよ!ハイ♪」
「あっ……亜紀人君!!」
亜紀人君だぁ〜!びっくりしたぁ〜!助かったー!
「ブルーハワイでいいんだよね?もうすぐお父さん達も、焼きそばとか買って戻ってくるよ♪」
……………ん?
「なんだぁ弟君!?いやぁ〜家族で来てるんならそう言ってよ!」
「じゃっ、俺らは行くんで!グッバイ☆」
そう言いながら、男たちは割とあっさり帰っていった。