I'm Liar
□一瞬の出会い
1ページ/2ページ
閨「みんな無事ですの?ここは任せて、早く行きなさい」
「すまねェ!」
閨、と呼ばれた女は男達の背を見送り、空をキッと睨む。
閨「…あなた、見ない顔ですわね。この島にいるってことは偽り人なのでしょうけど……。私は彼らの流人頭。仲間を傷付ける者は許しませんわ」
空「…フン、盗人が偉そうな口きくやんけ。そっちこそ盗ったモン返さんと許さへんで」
閨「盗人ですって?私たちはあなたたちとは違う。この島で略奪行為はしないわ」
心外だと風に言う閨。
空「お前の目は節穴か?さっき奴らが風呂敷持っっとったろ、アレが盗品やっちゅーねん」
閨「そういえば……」
空の言葉に、閨はそう言葉を洩らす。
空「別に風呂敷ん中の食糧くらいどうでもエエねんけどな。薬箱の方は返してもらわんとのォ。……それと、お前くらいの女も見てないか?×××や言うんやけど、さっきの奴ら追い掛けたままどっか行ってんわ。なんか知らんか??」
閨「…わかりましたわ。×××さんについて私が確認してきます。荷物も、あればお返ししますわ」
空「お前が?」
構えていた弓をおろした閨に、空が問う。
空「別に、根城さえ教えてくれたら、後はワシが自分で取り返すわ。お前に手伝ってもらいたいんは、×××を捜すことや」
閨「……それはできませんわ」
閨は少し困った様に言う。
閨「隠れ家を知られる事は命に関わりますもの。
この島にはいくつかの派閥がありますの。その中には、人を騙し倒し奪うことをなんとも思わない輩もいますわ……私たちはそういう連中から隠れて、身を寄せ合って生きてますのよ」
そう言って閨は踵を返す。
閨「あなたが何者か知りませんけど、おとなしく待っていてくださいませ。×××さんのことと荷物のことを確認したらすぐに戻りますわ」
閨はそのまま森の奥へと進んで行った。
空「…………(あ、不死について聞きそびれたわ)」
ぽ「空さ〜ん」
しばらくして小四郎とぽちが空と合流する。
空「船はどないした?」
小「ちょうどいい洞穴があったから隠してきたぜ。×××と箱は?」
空は小四郎に、閨との会話を説明しだした。
_