短編
□スイカの食べ方。
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ピンポーン
突然鳴り響いたチャイムに、今まで読んでいた本を閉じて机に置くと「はぁ〜い」と返事を返しながら玄関を開く。
「やあ」
「…ああ、スザクか。いきなりどうしたんだ?」
扉を開けて目の前に現れたのは茶色いくせっ毛がチャームポイントな親友のスザクだった。
今日は彼が来る約束はなかった俺は一瞬目を見開き凝視してしまったが、またいつもの調子に戻し問い掛けた。
「へへ…。田舎からスイカ送って来たんだけど、食べ切れないからおすそ分けしようかと思って…はいこれ!」
そう言ってスザクは自分の後ろに持っていたスーパーの袋に入ったスイカを差し出してきた。
嬉しいのだけれど、正直2人では自分たちも食べれないだろう。
そう思い
「ありがとう。けれど、こんなに大きいんだし3人で食べないか?」
と提案してみた。
「え?!いいの?!」
そう言って彼はその翡翠色の目をらんらんと輝かせている。
尻尾の幻影まで見えてくる始末だ。
「ああ。それより、こんな所で立ち話もなんだし中に入らないか?」
「うん。じゃお邪魔させてもらうね!」
俺はスザクに貰ったスイカを切るべくキッチンに向かい、スザクはリビングに来ていたナナリーの話役になるためリビングに向かった。