たまーに更新するにっき
◆腐れ縁の彼のセリフ 1 蜜
ボーカロイド 鏡音 学パロ
腐れ縁の彼のセリフ
1.あんたの顔も見飽きたな
家のドアをしっかり施錠しながら欠伸をひとつ。
昨日、遅くまで先輩の家に居たから寝不足だ。
遅くまで、というかほぼ朝だったような。
なかなか帰るタイミングが掴めず、結局あんな時間になってしまった。
「れーん!遅刻しちゃうよー!」
寝不足の頭に響く聞き慣れた声。
顔を上げると幼馴染みの鏡音リン。
ちょっと頬を膨らませて、手招きをしている。
仕草がいちいちガキ臭くて、朝からちょっとウンザリだ。
こいつはちいさい頃から何も変わっちゃいない。
身長も胸もちっこいし、やることなすこと全部が幼稚に見える。
頭の上で揺れるでっかいリボンも、幼稚園の時から忘れず毎日付けている。
小さい頃から顔も見飽きるくらい一緒に居るこの幼馴染みに意識下で反発しているのか、俺が選ぶのは年上の女ばかり。
昨日の先輩も、リンなんかと違って大人びた雰囲気を持つ、校内でもかなりモテる女だったらしい。
そんなもん関係なくいただけるもんはいただいちゃいましたけどね。
大人びた雰囲気と純粋そうな顔立ちで人気があるとか聞いたけど、蓋を開けてみれば純粋さの欠片もない女だった。わかってはいたがすべて計算で動くタイプだ。
目の前でただニコニコしている単純なリンとは真逆。
それがむしろ心地良くて、今朝は満たされた感覚でドアを開けたというのに。
見飽きたリンの顔にうんざりしながら、ただ大人しく鞄を引っ張られながら歩き出す。
ここで抵抗すれば面倒なことになるくらいわかっていた。
朝からキャンキャン吠える幼馴染みを宥めるよりは、黙って学校まで我慢してやったほうが精神衛生上良い。
なんだかんだでリンのペースに乗せられてしまう自分にもうんざりしながら、今日の放課後はどの女と会おうかと眠たい頭で考えるのが常だった。
2012/02/03(Fri) 00:26
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