第0章

□城の中
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Epsode4. 城の中




その後、会議を行うため小部屋に通される。
小部屋といっても、それなりに広く、あちこちに綺麗な装飾が施されている。

部屋の中には緊迫した空気が流れていて、思わず体を縮め、高そうなテーブルクロスを握りしめた。

いくら体を縮めたところで、今日の議題は自分に関することなのだから、当然部屋の中の皆の視線が突き刺さる。

鎧を着込んだ人もいれば、至って軽装の人も居る。ほとんど私服であろうと思われる人もほんの少しだけ居た。


会議が始まると、中央の席に座っていた黒豹に似たガジュマの男の人立ち上がり、私に向き直る。

見た目が少し怖そうで、思わず身構えてしまうが、そんな私の様子を見て、男の人はこちらに柔らかく微笑みかける。

「そう硬くなるな。私は王の盾の隊長を務めている、ユージーン・ガラルドという。今日の会議はお前に関してのものだが、なにも取って食おうというわけではない。安心していい」

見た目は少し怖そうだったが、黄色の瞳は穏やかに細められ、口調も仕草もとても物腰柔らかな人だと思った。

「よ、よろしくお願いします…」

少々戸惑いながらも頭を下げると、ユージーンは小さく頷いたあと、部屋を見渡し、それから手元の書類を見ながら、サレに質問を始める。時折私自身への質問も交えながら、しきりに何かをメモしているようだった。

「状況はわかった。…今回のケースは非常に珍しい。」

ユージーンが呟くと、部屋にいる大半の人が頷いたり、唸り声をあげて同調を示した。


「…どう珍しいんですか?」

私が小さく手を上げて尋ねると、ユージーンは少し考えたあと、手元の資料をめくりながら、傍にいた兵士に小声で何かを指示する。

「そうだな。状況を整理するついでにお前に説明する必要があるかもしれん。わからない言葉ばかりで、これからの生活にも支障があるだろう。細かいことはあとから学ぶとして、簡単なものだけ掻い摘んで説明するとしよう」

先程指示を受けた兵士が、紙の束や本を持って戻ってきた。

ユージーンは兵士に小さく礼を述べると、資料をパラパラとめくりながら、頭が破裂するのではないかというほど、たくさんの説明を始めた。


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