Vocaloid SSS
□見つめていたい
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リン→レン +ミク
「リンちゃんまた告白断ったのー?」
朝の教室。なんとなくけだるい雰囲気の中、ミクちゃんの綺麗な髪が日の光を受けてサラリと輝く。
今朝、男の子に呼ばれたところを見られていたらしく、ミクちゃんは私の机にもたれ掛かりながら呆れたように息を吐く。
「んぅー…そう、です」
なんと言葉を返せば良いかわからず、唸り声を上げながら俯き肯定すると、ミクちゃんは私の髪を撫で、リボンを弄び始める。
「リンちゃん可愛いのに恋愛経験ないんだからー…試しに付き合ってみたら良いのに」
「た、試しになんて相手に悪いし…」
「もったいないなぁー」
「うー…だって…」
教室の男子を見回しながら言うミクちゃんに少し戸惑いながらも小さく反論すると、ミクちゃんはまた溜息を吐いた。
ミクちゃんに倣って教室を見回すふりをして、私はある一点を見つめる。
自分と同じ、黄色い髪。
同じブルーの瞳。
笑うたび見える八重歯。
どんな仕種も、すべてが私の視線を釘付けにする。
いくら見つめても、彼の視線が自分とぶつからないのが悲しかった。
(好きなのはあいつだけなんだもん)
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もてるのに肝心の本命には…
っていうちょっと悲しい話