Vocaloid SSS

□君がチャンピオン
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GAME STARTを選択しようとしたその時、背後で部屋のドアが開く音がした。

「れ〜ん〜!」

と同時に、一番聞きたかった声が自分の名前を紡ぐ。

それだけで心が躍ってしまう自分を抑えながら、「遅かったじゃんか」となるべく不機嫌な声を出す。
それでもやっぱり声は上擦ってしまったけれど。

そして振り向く。

視界に入る鮮やかな黄色。
頭の上で揺れる大きなリボン。

…いつもと違う。違和感。
いや、違和感なんてもんじゃない。

服装はいつものセーラー服ではなく、真っ白な膝丈のワンピースだった。
胸元には大きなリボンが揺れていて、アームカバーやフットカバーに覆われていない白い手足が剥き出しに晒されて…

そしてなによりも

座っている自分と、立っているリンの目線が、同じだった。

いつもより幼くなった顔立ちに、ふっくらとした赤子のような手足。

…幼児化している。

幼児化したリンが、ぷくぷくの頬っぺたを赤く染めて、抱っこをせがむように両手を広げ、短い足でよちよちとこちらに歩いて来る。
足が縺れて転びそうになるちびリンを、両手を伸ばして支える。

小さすぎて壊してしまいそうだ。
俺が恐る恐る抱き上げるのもお構いなく、ちびリンはくすぐったそうに笑いながら身をよじり、零れそうなくらい大きな目を、これでもかという程キラキラさせて俺を見る。

「れん!あのね、ますたーにおねがいしてちいさくしてもらったの!かわいい?」

もともと舌ったらずな喋り方をする奴だったが、幼児化のせいか舌ったらずに磨きがかかり、しかもいつもより甘ったるいロリ声。

正直、可愛すぎて頭がクラクラする。

ゲームがつけっぱなしのテレビ画面の中では、俺の気持ちを代弁するかのように、配管工事のオヤジが「イヤッホォオオォウ!」と叫びまくっていた。


「ああ、うん、かわいいよ」

意地を張るのも諦めて馬鹿みたいにデレデレと返事をする自分に、もう一人の自分がしっかりしろと叱咤するも、目の前の可愛い生き物が相手では意地もプライドも呆気なく崩れ去る。

褒められたことでキャッキャと笑い声をたてて喜び、また目をキラキラさせるちびリン。

「ほんとう?ほんとうにかわいい?"しょたレン"よりもかわいい?りんのかち?」

あぁ、お前の勝ちだよ。ていうか誰も勝てねぇよ。

鼻血を吹き出しそうになるが懸命に耐え、飛びそうになる意識を必死で捕まえる。

ひとつひとつの仕種が可愛すぎて頭がおかしくなりそうだ。

そんな俺の気も知らずに、ちびリンは上機嫌で俺の手を掴んではまたキャッキャと笑い、終いには頬にキスまでしてくれた。



……こんなの反則だろ!



(反則だけど、君がチャンピオン。)


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――――――――――――――
だって悔しいんです!の続き。
ショタレンに負けたくなくてロリンになってみたリン。
これも元は漫画で描いた話なんですが何度描いても紛失すr(ry
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