Vocaloid SSS

□君がチャンピオン
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※だって悔しいんです!の続き










ある昼下がり。

先日とは違い、温かな日差しが窓から差し込んでいる。

とはいえ、部屋と温度は相変わらず低く、朝からずっとコタツから離れることができずに居た。

久し振りの休日だ。今日くらいコタツを独占してダラダラと過ごしても罰は当たらないだろう。


コタツの上に山積みにしてあるバナナを一つ取り、ぼーっとしながら一口かじる。


それにしても暇だ。


みんな買い物やら仕事やらで居なくなってしまった。

一緒に休みだったはずのリンも、マスターに呼ばれてどこかに行ったきり戻って来ない。

すぐに戻るから、と嬉しそうに部屋から出ていくリンの言葉を信じて、リンが戻ってきたらすぐに遊べるようにテレビゲームも繋いであるのに。

バナナをあっというまに食べ終わると、放置されたままのテレビゲームをチラリと見て、盛大に溜息をつく。

「早く帰って来いよ…」

呟いた声は、誰もいない部屋に虚しく響く。


呟いた後、なんだか恥ずかしくなってきて、頭を掻き毟りがらコタツから出た。

冷たい空気が肌を刺すようだったが、寒がることすら面倒だ。

そのままノロノロとテレビゲームに近づくと、電源を入れてその場に座る。

陽気な音楽と共に、配管工事のオヤジが叫び声を上げながら画面に踊り出た。

今の自分とオヤジとのテンションの差に若干苛立ちを感じながらコントローラを握る。

リンを待たずにゲームを始めてしまうのは申し訳ないが、リンが戻って来るまでの暇潰しにはなるだろう。

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