drrr!
□あぁ、神よ!
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「分かりました。絶対にそいつを捕まえてみせます」
頼んだぞ、そう言って笑うトムさんの横で、穏やかな人に頼られる事程、嬉しい事はない。トムさんの頼みなら尚更。凶悪犯がなんだ。銃を撃っても、ナイフで刺されても死なない俺が。
そいつが怪我しないかが心配だな。
早い話が、浮かれていた。
俺は肝心の―悩むべき事案をすっかり忘れて、その日を迎えた。
時計の針は休まず刻む。
気付けば俺は町内会の祭りに足を踏み入れていた。
「ねぇお母さん。次はお化け屋敷が良い」
無邪気な女の子の声。
ふと我に返った俺は、当初の目的を思い出し、屋敷へ向かった。
―ガクガク
何かが震えている。携帯か?いや、違う・・・震えてるのは・・・
「やぁ、シズちゃん」
耳障りな声、嘲るような笑い方―全身に震えが走る。
「臨也・・・テメー何で・・・」
「妹達の付き添いだよ。本当はこんな祭り、興味なかったんだけどね」
計算外―唖然として悪魔を見つめる。臨也が、まさかこんな所に―