drrr!
□Trick or Treat !
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「そのまさか、だ」
不敵に笑う金髪の悪魔。ヤバイ、このままじゃヤられる・・・襲うのは大好きだけど、掘られるなんて絶対に嫌だ。今日こそは、シズちゃんの苦悶に満ちた顔を見たいと思っていたのに―こんなの計算外だよ!
Trick or Treat 、そう言って彼は近づいてきた。片手には、何処で拾ってきたのかガードレールの棒を持って。ちょっと待って、ここは会社の中だよ・・凶器はやめよう、ね?壊れちゃうから。ボロアパートでも大切な会社なんだ。波江だっているしね。ね、だからその武器を置いてよ・・・
「悪戯、しても良いんだな?」
ニヤリ、目の前に差し出されたのは頑丈な手錠。全身から流れ出る汗。ヤバイ、このままじゃ1342のはずが4213に・・・
「お菓子?それなら幾らでもあるよ。ねぇ波江」
後ろにいるはずの彼女は、一瞬沈黙した後、さらりとした表情で言った。
「え?お菓子?そんなものないわよ。
私が昨日食べたもの」
「え?!昨日あんなにあったのに!?」
「だって誠二が・・・今頃あの女とイチャイチャしているかと思うと無性にイライラしちゃって・・・」
「嘘・・波江さん・・冗談だよね、それ」